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ベートーヴェンを毎日聴く102(2020年4月11日)
『ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲 第3番 op.72b』を聴いた。
ベートーヴェンを毎日聴く102
— Harayan (Herbert von) (@HarayanV) April 11, 2020
op.72bレオノーレ序曲第3番。1806年
第2番と比べていろいろ削ぎ落とされて身軽に。でも魅力がグッと凝縮された作品に。演奏会でもワクワクする。フリッチャイの熱いライブ演奏然り。
演奏:フリッチャイ&ベルリン放送響。1961年 pic.twitter.com/5LSW5O7Kj4
第1番から第3番まである「レオノーレ序曲」。
一番有名なのがこの「第3番」で、コンサートでも良く取り上げられる。「第2番」との差は短くなったこと。それにより聴きどころがグッと凝縮されていて、単独で聴いても管弦楽曲としてドラマチックな作品となった。
出だしの和音も1回だけと減ったのだが、その1回が鳴るだけでも今後のドラマがどのように展開されていくのか?と惹きつけられるような感じになる。
その後、第1主題が静かに始まるが、畳みかけるように音楽が高まるのが最初の聴きどころ。
後半に差し掛かると「第2番」にもあった、劇中で大臣が到着するときに演奏されるくファンファーレが舞台裏で2回鳴り響く。この直前の盛り上がりもドラマチックでグッとくるところ。
そして最後はヴァイオリンが輝かしく激しく細かく刻まれ、それがヴィオラ、チェロ、コントラバスを巻き込み、雄大なフィナーレへと導かれる。聴き終わったときは大きな満足感を得られる。オペラが始まる序曲ではあるが。
「フィデリオ」に改訂されてからは序曲の座からは外されてしまったこの「第3番」。しかしながら、今でも人気が高いベートーヴェンの管弦楽作品として存在しているのは、初演失敗により、知人のアドバイスも受けながら、ムダな部分をそぎ落とした大改訂の成果である。
(記:2020年12月7日)