ベートーヴェンを毎日聴く54(2020年2月23日)
『ベートーヴェン/歌曲「希望に寄せて」op.32』 を聴いた。
ベートーヴェンの「不滅の恋人」には複数の候補者がいるが、そのひとりとも言われたヨゼフィーネ・ブルンスヴィック(結婚後、ヨゼフィーネ・ダイムに)。
ヨゼフィーネはベートーヴェンにピアノを教えてもらっていて、彼の音楽を深く敬愛していた。
夫が亡くなった後、4人の子供を抱えた彼女をサポートする意味もあったであろう、ベートーヴェンは足繁く彼女のもとに通い、徐々にヨゼフィーネに熱を上げていったようだ。
そして、この作品を彼女に捧げるのである。
ヨゼフィーネはとても喜んだようだ。母親に宛てた手紙でもその気持ちを書き記している。
平民のベートーヴェンと貴族であるヨゼフィーネ。階級の異なる二人が結ばれることは無く、ヨゼフィーネは再婚してしまう。
しかし、再婚した夫と反りが合わず、ヨゼフィーネは苦労が絶えない生活を送り、亡くなってしまう。
ヨゼフィーネは再婚後、5人目の子供を産んだ。
ミノナと名付けられたその女の子は「ベートーヴェンとの子供ではないか?」という説もある。
数々の不幸が襲ったヨゼフィーネの人生。一緒になれないことはどうしようも無かったが、それを差し引いてもベートーヴェンはこんなヨゼフィーネのことをとても辛く思ったことだろう。