ベートーヴェンを毎日聴く118(2020年4月27日)
『ベートーヴェン/三重奏曲 ハ長調 op.87』を聴いた。
オーボエ2本とイングリッシュ・ホルンによる三重奏曲。
「イングリッシュ・ホルン」と聴くと、あの金属の管がグルグル巻いてあって、大きなアサガオが付いた姿の、「ホルン」の一種だと思ってしまうが、実際はオーボエにそっくりな姿である。
「イングリッシュ・ホルン」に対して、グルグル巻いた姿のホルンは「フレンチ・ホルン」という。
イングリッシュ・ホルンはコール・アングレ(コーラングレ)と呼ばれることが多いかもしれない。
参考に、ホルンという名がつくが、形がオーボエのようなものが他にもある。
それはバセット・ホルンである。
この作品は聴くだけだとオーボエだけで演奏されているように聞こえるが、ちょっと音程が低くて籠ったような音色がイングリッシュ・ホルンの音。
ベートーヴェンがイングリッシュ・ホルンを使ったのは、もしかしたら、この作品が唯一なのではないだろうか。
ベートーヴェンの時代以前にもあったわけだが、新しいタイプの楽器だったので使われることが稀だったのだろう。
ベートーヴェンが敢えてこの楽器を使った作品を作ったのは、イングリッシュ・ホルンを演奏していた音楽家からの依頼だろうか。それとも、新たな楽器を試すために実験的に作ってみたのだろうか。
最後はテンポも速く、3人の息が合うことはもちろん、高い技術が必要なものに思える。
Jan BednářによるPixabayからの画像
(記:2020年12月27日)