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【読書】ずっと、ずっと帰りを待っていました―「沖縄戦」指揮官と遺族の往復書簡―

夏になると終戦(太平洋戦争)の日が近づき、ネットでは戦争の記事が目に入ることも多くなると思います。今回出会った本もそういったものからの出会いでした。

〈どんな本か〉

沖縄戦で生き残った伊東孝一大隊長が復員した後に、戦死した部下600人の遺族へ手紙を出し(詫び状)、やり取りをします。
時は流れ、この本の著者であるジャーナリスト夫婦が伊東大隊長と出会い、遺族からの手紙の返信を託される。
そして、ジャーナリスト夫婦がボランティアの学生達と共に送り主を辿り、手紙を返還していく実話です。

〈読んでみて〉

遺族達は手紙を出してくれた伊東大隊長へ感謝の思いを伝えつつも、戦死した夫や息子がどういった最期であったか・戦死した日が曖昧であり、いつ戦死したかを再確認したり・生き残ってほしかったという本音を吐露している印象が強かったです。
そして、夫や息子を亡くしたことから家族を支えるために苦労した女性が多くいたのも、改めて気付かされました。
印象的だったのは、手紙を返還した際の遺族からの話です。 息子の戦死の知らせを受けた母親は泣き崩れ、父親は動じずに受け止め、その後も仕事を黙々と続けます。
ですが、家族が寝静まった夜に木箱を抱え声を押し殺すように泣いていたそうです。
名誉の戦死という言葉を聞きますが、家族にとってはどんな形であれ戻ってきてほしかったというのが本音だったのでしょう。
また、伊東大隊長の手記を通して、戦いの凄まじさを痛感します。

〈最後に〉

今も昔も家族を想う気持ちは同じですね。
健康でいられて、平和な毎日に感謝しなきゃいけませんね。

祖父母の家へ行きお墓参りをすると、隣には太平洋戦争時に若くして亡くなった方のお墓があります。 その方もきっと国や大切な人の為に戦地に赴いたんだと思います。
決して戦争を肯定する訳ではありませんが、そういった方がいて、今の日本がある。忘れてはいけないと感じます。

父方と母方の祖父は太平洋戦争を経験しています。生き残ったから今の自分がいる訳ですが、戦争の事を色々と聞いておけばよかったな。。と今更ながら思っています。

全てを抱え2020年に天寿を全うした伊東大隊長。とても立派な方です。常にベストを尽くし、部下を想い行動する。責任をもつ。
私も少しでもそうなれたら、、、そうなりたいと思います。
そして、この本を通して、伊東大隊長の想いや遺族の想い、戦争の残酷さは読者へと受け継がれていってます。きっと。


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