初心者が知っておきたい「コーヒー焙煎の基本」
これからコーヒー焙煎を始めたい方や、副業としてコーヒー豆の販売を考えている方におすすめのガイドです。
基礎的な内容をまとめているので、気軽に読んでみてくださいね。
コーヒー豆の美味しさを左右する最大の要因とは?
コーヒー豆の美味しさを決める最大のポイント、それは「コーヒー豆の品質」です。品質が良い豆は、多少ラフに焙煎しても美味しくなりますが、逆に品質が低い豆では、どれだけ丁寧に焙煎しても限界があります。
もちろん、焙煎技術も大事ですが、まずは「豆選び」が大切!
良質な豆を選ぶことが、おいしいコーヒーを作る第一歩。
コーヒー焙煎の基本プロセス
STEP1. 水抜き
まずは、豆に含まれている水分を抜く「水抜き」から始めます。焙煎をスタートしてすぐは火力を少し控えめにし、ムラなく水分を飛ばすのがポイントです。
STEP2. 焙煎の開始
水抜きが終わると、温度が上昇し、豆が乾燥し、白っぽくなってきたら焙煎が本格的に始まります。この段階で火力を少し上げ、酸味や甘みを引き出す準備が整います。焙煎温度や時間によって、豆の色や風味、香りが変わります。
低温でゆっくり焙煎すれば酸味が引き立ち、高温で急速に焙煎すれば苦味が強くなります。焙煎機の種類や設定によっても味わいに違いが生まれます。
STEP3. 1ハゼ(ファーストクラック)
温度が180〜200℃に達すると、豆が「パチパチ」と弾ける音を立て始めます。これが1ハゼです。このタイミングで豆が膨らみ、酸味と甘みが引き立ち、フレーバーが開いてきます。浅煎りのコーヒーは、1ハゼの直後に焙煎を止めることが多いです。
タイミング:
焙煎開始からおよそ8〜12分後、豆の温度が約180〜200℃に達するころ。
特徴:
豆の中で水分が急激に蒸発し、内部の圧力が高まることで「パチパチ」とした音が聞こえます。1ハゼが始まると、豆が膨らみ、軽やかな酸味や甘みが出てきます。
焙煎度の目安:
浅煎りは1ハゼの直後に焙煎を終了することが多いです。たとえば、シナモンローストやミディアムローストが該当します。
STEP4. 2ハゼ(セカンドクラック)
さらに焙煎を進めて温度が220℃付近に達すると、再び「パチパチ」と小さな音がします。これが2ハゼです。2ハゼのタイミングで、豆の色が濃くなり、香ばしい風味や深い苦味が強まります。中深煎りや深煎りを好む方は、ここで焙煎を止めることが多いです。
タイミング:
焙煎開始からおよそ12〜16分後、豆の温度が約220〜230℃に達するころ。
特徴:
豆の内部でさらに気泡が生じ、再び「パチパチ」と小さな音が聞こえます。2ハゼが始まると、豆がさらに膨らみ、香ばしい風味が強まり、苦味やコクも深まります。
焙煎度の目安:
中深煎りや深煎りを目指す場合、この2ハゼのタイミングで焙煎を終了します。フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンローストなどが該当します。
STEP5. 冷却
焙煎が終わったら、豆をすぐに冷やします。余熱で焙煎が進みすぎないよう、3〜5分程度で迅速に冷却しましょう。家庭で冷却する際は、ドライヤーの冷風を当てるのも効果的です。
焙煎の所要時間
コーヒー焙煎の所要時間は、焙煎方法や目的の焙煎度によって異なりますが、一般的には10〜20分です。
浅煎り(シナモンロースト〜ミディアムロースト)
所要時間: 約8〜12分
特徴: フルーティーで酸味のある明るい風味。1ハゼ直後に焙煎を終了。
中煎り(ハイロースト〜シティロースト)
所要時間: 約10〜14分
特徴: 酸味と甘みがバランスよく取れた風味。1ハゼが完全に終わったあたりで終了。
中深煎り(フルシティロースト)
所要時間: 約12〜16分
特徴: 酸味が抑えられ、コクと甘みが増した味わい。2ハゼの前後で終了。
深煎り(フレンチロースト〜イタリアンロースト)
所要時間: 約15〜20分
特徴: 強い苦味とコクが特徴。2ハゼの後で焙煎を終了。
焙煎機のタイプや豆の種類によっても所要時間は変わるため、風味を確認しながら調整することが大切です。
冷却の所要時間
焙煎後はできるだけ速やかに冷却することが大切です。冷却の所要時間は約3〜5分が目安です。
空気冷却: 焙煎機に備わったファンを使い、豆に風を当てて急速に冷やす方法。
振動冷却: 冷却トレイで豆を動かしながら冷やす方法で、効率的に冷却が可能。
水冷却: 少量の水をスプレーして冷やす方法もありますが、豆の保存や風味に影響が出ることがあるため注意が必要です。
最初はフライパン焙煎がおすすめ
初心者の方にはフライパンでの焙煎が気軽に始められておすすめです。火加減の調整がしやすく、豆の変化を観察しやすいので、焙煎の基本を学ぶにはぴったりです。数回試すだけでコツが掴め、80点の焙煎ができるようになりますよ!
焙煎を通して見つかる「自分だけのコーヒー」
焙煎は試行錯誤が続く工程ですが、繰り返し挑戦することで、豆の味わいの違いを理解し、自分好みの焙煎度合いを見つけることができる喜びがあります。フライパンで始めるシンプルな焙煎でも、試行錯誤しながら理想の味に近づく過程は、焙煎を愛する多くの人にとって大きな魅力です。たとえ失敗したとしても、その過程で学びを得られるため、焙煎への理解がどんどん深まります。
コーヒー焙煎の奥深さを知り、少しずつコツを掴むうちに、あなただけのオリジナルなコーヒーが完成します。酸味が強い浅煎りや、深みのある深煎りまで、焙煎度合いによって自分好みのコーヒーが作れるのも、自家焙煎の醍醐味です。
豆の選び方、焙煎方法、仕上げの冷却までをしっかり管理することで、あなた好みの一杯を生み出してみてくださいね。