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かなり使える、自家製なんちゃってメンマ。

うっとうしい季節のうえに、相変わらず世界は騒がしくかつ悩ましいですね。いろんな憂鬱をできれば一切払いのけて、静かに心穏やかに暮らしたいと思っていると、次第に世間から忘れ去られてゆくというのは避けようのない必然なんでしょうか。

何が言いたいかというと、仕事が減ってお金がありません。

お金がないけど時間はわりとある、という若い頃のような境遇がこの年齢になって自分のフェーズに再び訪れてこようとは、あんまり想像してなかったなあ。

幸い、妻が贅沢を望まない人なので、ふたりしてせっせと節約して暮らしており、料理にしても作れるものは自分たちで作るのが普通なので、貧しく倹しい日々とはいえそこに悲壮感とかストレスはまるでない。毎日わりと楽しい。となると躍起になってこの状況から抜け出そうともしなくなってそれはそれでいかんのかなとも思ったり思わなかったり。

前置きが長くなってしまったけど本題は「自家製なんちゃってメンマ」の話。これ思ったよりメンマだし、使い勝手よいです。オススメ。

レシピで作ってみたわけです。

ご存じの方も多いと思うけど、メンマの作り方はまあまあ面倒。いやかなり手間がかかる。そもそもメンマは中国に自生する麻竹という竹のタケノコを使うのだが、茹でた後1ヶ月とか長期間かけて乳酸醗酵させ、やわらかくするという工程が必要なのだ。そう、メンマはああ見えて発酵食品なのである。麻竹は茹でるだけで自分の中の糖分と乳酸菌を使い勝手に発酵してくれるという優れものなのだという。

しかし当然ながら麻竹のタケノコは入手しづらいし、そんなに長期間待ってまで食べたいほどメンマが恋しいわけでもない。ところが先日たまたま妻の実家から淡竹の水煮を数本もらって持て余しており(淡竹は他の真竹や孟宗竹よりタケノコの時季が遅いんですよね)、例によって妻がトテッと思いつき、提案してくれたのだ。

「これ、メンマにしたらええんちゃう?」

おおおお。それ面白そう。私はにわかに奮い立った。

調べると上記のとおりで本当のメンマはおいそれと作れないが、タケノコの水煮を中華風煮込みにすることでかなりそれに近い味わいを再現できるという。参考にしたレシピはこちら。

タケノコ水煮の目方は200〜270gとある。うちにある淡竹を2本分量ったところ300gをゆうに超えてたけれど、そこは素人の怖さ、うんうん誤差のうち、と思ってまるまる2本使う。メンマっぽく拍子切りにして煮込み、水気がなくなったらごま油を回しかけるだけ。至って簡単である。

あっという間に完成。自家製なんちゃってメンマ。

美しい〜。どこからどう見てもメンマ。

ひと切れ味見。うん! かなりの再現度。本物のメンマをビールとするなら、ノンアルビールぐらいには満足できる味わい。いや、第三のビールぐらいか。ライトなメンマ、という感じ。人によってはあの独特の酸味とクセがない分、こっちの方が好きかもしれない。

勝手にタケノコの分量を増やしたので予想の仕上がりよりは味が若干薄いのかもしれないけど、個人的にはこれぐらいの方が箸が進むなあ。

少なくとも自分はそこまでメンマ通じゃないので、これで十分です。うまっ。

刻んでチャーハンに。おいしさ保証つき。

本家メンマのようにラーメンに載せるのはもちろん、ちまちまお酒のつまみにしたり冷奴に乗せたりしてもいいが、桃屋のメンマよろしく刻んでチャーハンにしてみた。

搾菜とかでもそうですけど、こういう味のしっかりした具を刻んで入れると
炒飯がワンランクアップしますよね。いえーい。

これは間違いないおいしさ。

他に冷凍むきエビも刻んで入れました。

手間ヒマを楽しみ経験を味わうという意味ではガチでメンマを漬け込んだほうが楽しいんだろうけど、それは失敗したときのダメージもでかいのでいつかまた別の機会に譲るとして。適度にスローなこういう暮らし、まあまあいんじゃないかと自画自賛。

まだけっこう作り置きがあるので、傷まないうちにおいしくつまんでゆきたい所存です。ごちそうさまでした。



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