見出し画像

(本の裏側③)キッチンシンク以外はなんでも混ぜ込む!?クッキー

2024年3月号『きょうの料理』の【おやつの時間】でアメリカの焼き菓子3品をご紹介しました。今回は自分の本ではなく掲載誌の話を書こうと思います。

クッキーの具材はお好みで!

特別なテキスト『きょうの料理』

母が購読していたNHKテキスト『きょうの料理』は物心ついたときからいつも本棚にある一番身近な月刊誌でした。

かつて「きょうの料理」には【男の料理】コーナーがあり、そこで司会をされていたのが作家の東理夫先生です。東先生はテキスト誌面で【東理夫のあの人に逢いたい】という連載も執筆されていて、中でも印象的だったのが本間千枝子さんの回。本間さんのご自宅を訪ねてホットビスケットでもてなしを受けた東先生が綴られた「アメリカ料理は偉大なる家庭料理」という言葉が胸に響きました。

私は当時中学生で、家族や親戚からアメリカ生活の話を聞き、アメリカの食文化を実際に見に行きたい気持ちが募っていた頃。この連載を読み、一層気持ちをかき立てられたというか、後押しされたような気持ちになりました。

東先生からは以降今に至るまで大きな影響を受けていますが、その話はまた追々。

キッチンシンククッキーとは?

「なんでもかんでも」という言葉から名付けられた
「キッチンシンククッキー」。

大幅に話が逸れましたが、まあ、そんな感じで『きょうの料理』でアメリカ菓子を紹介する機会をいただき嬉しいという話なのですが、3種類紹介した菓子の1つが「アメリカンクッキー」。本当は、生地になんでもかんでも混ぜ込んだりのせたりして焼き上げるので「everything but the kitchen sink=キッチンシンク以外すべて=何でもかんでも」という言葉に由来する「キッチンシンククッキー」という名前があるのですが、分かりにくいということで、テキストでは「アメリカンクッキー」としています。

名前のとおりチョコレートでもナッツでもシード類でも、好きな食材を何でも加えて楽しんでね、というおおらかなクッキー。ここでは仕上げにポテトチップスとプレッツェルをのせています。甘い生地と塩っぱいトッピングの対比が楽しくアメリカでも人気の組み合わせです。

アメリカ菓子図鑑』などの本をご覧いただいたりイベントに来ていただいたりした方はお気づきかもしれませんが、キッチンシンククッキーはオートミールやチョコレートチップ、ナッツなどを混ぜ込む「カウボーイクッキー」の仲間です。

2023年春から年明けにかけてメニュー開発のご協力をしてきたDEAN&DELUCAベーカリーさんでもご提案してつくっていたクッキーなので、本やイベントは知らないけれどクッキーは見覚えがある!という方もいらっしゃると思います。*誌面では家庭でつくりやすいレシピに変えています。

アメリカの焼き菓子のNHK Eテレでの放送は2024年3月25日(月)21時からですが、そこでご紹介するのは2品だけ。アメリカンクッキーは実はテレビでの放送はありません。ご興味をお持ちいただいた方はぜひ誌面にてお楽しみいただけましたら嬉しいです。


いいなと思ったら応援しよう!

アメリカの食卓|原亜樹子
サポートをありがとうございます。試作材料費に使わせていただきます!

この記事が参加している募集