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【atマーケティングコラム】ヒューリスティクスで時代の荒波を乗り切ろう

最近「直感」というキーワードを
よく見かけるようになりました。

私自身は、常に直感で生きているので(笑)
特に珍しくはないのですが、
これまでビジネスシーンでは
あまり褒められることのなかった「直感」が
何だかメインストリームに踊り出してきたな、
という感じです。

自分起点、自分軸の考え方を重視する
「アート思考」などとも近いですね。
反対語は「客観、論理、科学、エビデンス」
などでしょうか。

最近目にした文章をいくつか紹介します。

◆直感による判断も必要なんです。それを、専門用語でヒューリスティクスといいます。例えば、官僚の意思決定について、どう思います?
──前例主義で、冴えない感じがします。

でも、官僚はすごく頭のいい人の集団ですよね。超難関の国家公務員試験に合格した人たちです。そんな彼らの意思決定がなぜ微妙になってしまうのか?ヒューリスティクス=直感が欠けているからです。知識と前例だけを手がかりにしていると、判断は常に遅れますし、前例のないデータが出現すると対応できません。
(VOGUE japan 中野信子に聞く、直感力の正体)

◆数字の裏付けを求められることも多いですが、当然ながら、そんなものはないです。~中略~私たちが今までやってきたことは、始めたときはもう批判ばかりです。そして立ち上がってみれば「いや、あれは絶対いけると思っていたよ」という方々が出てくる、というパターンが多い。
(PRESIDENT Online 鳥越淳司/相模屋食料社長インタビュー)

◆「エビデンスはあるんですか」「数字で示してもらえますか」「その意見って、客観的なものですか」数値化が当たり前になった今、こうした考え方が世にはびこっている。「客観性」「数値的なエビデンス」は、現代の社会で真理とみなされているが、客観的なデータではなかったとしても意味がある事象はあるはずだ。
(「客観性の落とし穴」村上晴彦著)

直感は単なる当てずっぽうの「勘」とは違って
経験や知見を総動員して生まれてくるものです。
新しいことには過去データがありませんから、
信じてみる価値はあります。

女性の直感から生まれた成功事例をいくつか。

◇パナソニックのママチャリ
既にそこそこ売れていたママチャリの
タイヤを小さくすることで
さらにヒットさせたのは現役ママ社員たち。

「タイヤを小さくするなんて非常識」と
当初はママ社員の声を上司は却下。
業を煮やした彼女たちはなんと社長に直訴し
何とか製品化にこぎつけた。

https://www.gr8lodges.com/273961.html

◇アテックスのルルドマッサージクッション
女性社員の「こんなのが欲しい」という
発想で開発したマッサージ器。
10数年たった今では1400万台突破の大ヒット。

「そんなオモチャのようなもの売れるか」という
ベテラン営業マンの声にもめけず
何とか3000台だけトライの許可を取りつけたのが始まり。

https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1102/23/news012_2.html

◇プレジデントウーマンのバッグ他
自分たちが本当に欲しいものがない。
ないなら作れば売れるのでは、という
自分起点の発想で、次々とヒット。

「ないのは売れないからだろ。
専門メーカーが売れないのに
素人のお前たちが売れるのか」

専門じゃないからこそ常識に囚われない発想で商品を開発。
バックの他にも、スーツ、コート、靴、リュックと
次々に開発し、どれも即完売の売れ行き。

https://presidentwoman.com

3事例とも、女性たちが踏ん張ったので
成功に結び付いていますが、
同じ構図で潰されていった企画は
ゴマンとあるのではと思います。

どれも自分の常識内に固執し、
前例がないことに対応できないという事例でした。
耳の痛い方はいませんか?

イノベーションを起こすのは
わかもの、バカもの、よそもの、女性
とよく言われますが、
どれも前例を知らないことが
功を奏しているのでしょうね。

せめて邪魔をせずに
見守る対応をしたいものです。

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