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「役に立つ情報」を得ることに疲れたら。おまけ:夏目漱石"こころ"はゲイの話!? きみの鳥はうたえる [ 佐藤泰志 ]
育児、家事、仕事。毎日、お疲れ様です。
本や動画でも「役に立つもの」ばかり取り上げられる世の中になり、なんだか物哀しいですね。「すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなるよ」と言いますが、その価値観は、きっともう古いんでしょう。
ハウツーやノウハウを叩き込むことに疲れてしまった方へ。180度違った世界へ現実逃避させてくれる手段に、小説がありますよ。(美術館で絵をぼーーっと観る、もお勧めなのですが、今この状況下で少し行きにくいと思うので)。
小説や漫画は、何かを解決してくれることはないし、得るものもありません。ただ、「忙しい」とは「心を亡くす」と書きます。心を亡くした状態で無理にインプットしようとしても、全てにゼロを掛けてもゼロになるだけ。
この小説は、きちんと働いたり育児をする皆さんと無縁の、なんとなくダラダラ遊びながら暮らす若者の話。主人公と友人と、二人の間で揺れ動く女性を巡る話です。怠惰な日常と思いきや、衝撃の結末が待っています。
......ここまで読んで夏目漱石”こころ"の先生とKと、お嬢さんを思い浮かべた方もいるかもしれません。余談ですが”こころ"はお嬢さんを取り合う話ではなく、先生とKの間の心の葛藤を描くゲイ小説だった、という見方もあります。
漱石自身も、日記から少し男色の傾向がある時代があったとかなかったとか。漱石の奥さんがヒステリーだったという話もありますが、不幸な生い立ちを引きずっている上に神経症を患っている彼の妻なら、誰でもヒステリー起こすよな...と女の立場からは同情しかないです。
詳しく知りたい方は、吉本隆明の本で解説されているので読んでみてくださいね。(「いや、お前が書けよ!」って自分で突っ込みつつ、LGBTまわりは色々と過敏な時代なので、炎上するのが嫌で書けなかった。。。)
きみの鳥はうたえる (河出文庫)
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