「落花」で三句 初めての「人(天地人)」
今年の桜は早かったですね。
春休み、毎日お弁当を作って、娘と二人、時に父も一緒に三人で桜の下で過ごしていました。
桜をあらわす「花」の季語で、三人で俳句も詠んでいました。
娘の発想はやはり柔らかく、率直で素晴らしかった。
三人の合作の句が、私は一番好きかな。
というか、そんな時間を過ごせることがしあわせだなぁと思います。
四月の兼題は「落花」です。
「散る桜」や「花筏」などの傍題も可ですが、「落花」で真っ向勝負。
「落花」「らっか」という音の響きも難しく感じます。
「人」に入選
ありがたいことに「人」に一句選んでいただきました。
私の俳句は、プレバトをみて詠み始めて、勉強はしていません。
図書館の俳句コーナーに寄ってみました。
『あなたの俳句はなぜ佳作どまりなのか』辻 桃子 2008年
という本が目にとまりました。
「なぜ佳作どまりなのか」はわからなかったのですが、
言葉の使い方で変わる。
私は、今まで足りないと思っていたけれど(5・7や7・5で言いたいこと言い終わっていました)、中身が足りないのではなく、言葉の使い方だったんだな。
そして、俳句とはいのちや思いを読んでいるものだから、それについて言葉にしなくてよい。
ということを知りました。
1回目、2回目佳作で、今回「人」にこの句が選ばれたのも全然わかってません(笑)
下の三句のうち、どれが選ばれたのでしょうか?
でも、句会などでも集まっている人、時によって選ばれる句は変わるそうで、それはもっともだと思います。
「あっ、わかる」や「好きだなぁ」とちらっとでも思っていただけたら嬉しいです。
手探り状態で投句している初心者としては、俳句を知るために、続けるために励みになります。
今月の茉叶の3句
あこが舞う落花の緑地初舞台
娘が落ちてくる花びらを追いかけている姿が舞っているようです。
さらに小さな子へと発想も飛ばせますし、
またそんなあこや孫を微笑んで観ている大人の姿も見えてきます。
また昨年から、子どもたちの発表の場はない状態。
落花の緑地が初舞台の場所になった。
いろいろな思いはあるけれど、
無邪気なあこと、無邪気さや成長を喜ぶ大人の気持ちを詠んでみました。
碧天の落花に一人海苔弁か
春休みは、娘とお弁当を食べていたけれど、「落花」の季節は一人です。
新入社員もベテラン社員も、そうかもなぁ。
一番安い「海苔弁」。若い時よく買いました。(おかずもたくさんのってるし、手作り弁当と違う温かさと美味しさがありました)
「碧天」と「落花」と「海苔弁」
寂しさと感じるか、喜びを感じるか。
「一人海苔弁か」なので詠嘆だけれども、
再び「碧天」を見上げると希望が湧いてきます。「落花」のピンクも綺麗です。
亡き妻の声伝えたる落花かな
はらはら落ちる花びら、優美に舞う花びら、風に乗って飛んでくる花びら
毎年、落花が伝えてくる言葉に耳をすませます。
桜の精は、亡き人を連想します。ピンクの花びらはやっぱり優しい女性だな。
そこで「亡き妻」と具体的に書きました。
(プレバトで夏井先生が「そのまま書くの」とよくおしゃっているので)
この落花を見ているのは、私とは全く違う、妻を亡くした男性。
この句を作った私は、妻のメッセージを伝えたかったのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。