「今の自分」から「なりたい自分」になる。"書く瞑想"ジャーナリングのススメ
はじめに
あなたは、毎日の生活の中で「このままでいいのかな」と悩んだことはありませんか?
内閣府の「令和4年度 国民生活に関する世論調査」によると、現在の生活に「満足している」と答えた人は74.0%である一方で、将来の生活に「不安を感じている」と答えた人は62.2%にのぼります。また、厚生労働省の「令和3年度 労働安全衛生調査」では、仕事や職業生活に関して強い不安やストレスを感じる労働者の割合は52.0%と報告されています。
この記事では、脳科学と心理学の視点から、シンプルでありながら人生を変える可能性を秘めた「ジャーナリング」について詳しくご紹介します。
1. ジャーナリングとは?
ジャーナリングとは、頭に浮かんできたことをそのまま紙に「書く」ことで、自分を知り、自分と対話する手法のひとつ。書く内容は自由。書きたいこと、頭に浮かんでいること、なんでもオッケー。思いつくままに、感情を吐き出すことがポイントになります。
ジャーナリングは、「書く瞑想」とも呼ばれ、マインドフルネスの手法のひとつと考えられています。紙に書き出すことで、以下が得られると考えられています。
集中力のアップ
自分の考えや感情、自分の周りで起きてる物事の客観視
客観視することによる気付き
ネガティブな感情が大きくなるのを抑える
ポジティブな感情が作り出せる
思考や感情を意識的に書き出し、自分自身を深く理解していくジャーナリング。心理学者のカール・ユングも実践していた手法として知られています。
2. ジャーナリングと日記の違い
周りに、Morning Journal (話すときは、朝ジャーナルと言っています)をしている、と話すと聞かれるのが、日記との違いです。私がやっているMorning Journalも加えて、私が考えるそれぞれの違いを紹介します。
日記は、その日に起きたことを書く。記録として残しておく意味合いが強く、後で見返すことを考えて、気持ちを整理しながら書いたり、分かりやすい文章を書くことを心掛けて書いたりする人も多いと思います。
一方で、ジャーナリングは、気の向くままに、気持ちを吐き出して書く。内なる気付きや感情の探求が目的です。日記と同じように、誰にも見せる必要がないことに加え、ジャーナリングは見返す必要もありません(もちろん見返してもオッケー)。大切なのは、ひたすら書き続けること。手を止めないこと。何も浮かばなければ、「何も浮かばない」と書けばいいらしいです。
私が続けているMorning Journal は、気の向くままに気持ちを吐き出す、というよりは、「今日はどんな日にしたいか」「今日をどのように過ごしたいか」といった、その日の過ごし方を想像し、書き留めることで、「こんな1日にするぞ!」という気合い入れをしている感じです。ただ、ジャーナリングのポイントである、「思いつくままに書く」「手を止めない」を意識して書くようにしています。
Morning Journal については、こちらをどうぞ。
3. ジャーナリングの効果は?
脳科学研究により、以下のような効果が確認されています:
ストレス軽減効果
コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が約23%減少
睡眠の質が向上
創造性の向上
右脳と左脳の活性化
問題解決能力の向上
感情コントロール
ネガティブ感情の整理
レジリエンスの強化
4. ジャーナリングをやってみよう!
用意するもの
紙やノート、またはデジタルデバイス
ペンや鉛筆
心構え
こういうことは書いちゃダメ、、、といった判断をしないこと
自分のことを批判しない、なにを書いてもいい、と自分に許可を出すこと
自分の感情に正直に向き合う覚悟
どの程度、書くの?
友達は、ある本を元に「A4サイズの紙に3枚、書いている」、ということでしたが、私は以下のように、自分で決めてオッケーだと思います。大事なのは、継続すること。無理は厳禁です!!
書く時間を決める(例:5分)
書く量を決める(例:ノート1ページ分)
ちなみに、今、私は決まった質問に答える、という形のMorning Journal を続けているので、質問に答えたら終わりです。その際、パッと答えが浮かばない時は、次の質問に進み、後で戻って向き合っています。ただ、3分ほど考えても浮かばない時は、「浮かばない」と書いています。
「ありのままに書け」って言われても、、、と思う方へ
前述したように、書くことが思い浮かばないときは「浮かばない、浮かばない、書くことが何も浮かばない」と書いていいみたいです。大切なのは、手を動かし続けること。それでも、どうしたら???と思う方は、以下をテーマに書き始めてみるといいと思います。途中で書いてる内容が変わっても、もちろんオッケーです。気軽に取り組みましょう!
もやもやしていること
不安なこと
うれしかったこと
楽しみなこと
5. ジャーナリングを続けるコツ
朝活としてのジャーナリング
朝の時間を活用することで、一日を前向きにスタートできます。脳科学研究によると、朝は前頭前野の活動が活発で、創造的な思考が促進されやすい時間帯なので、いちばんオススメです。
次にオススメなのが夜です。寝る前に嫌な気分や不安などがあると、睡眠の質も落ちてしまいますし、翌日にネガティブな感情を持ち越してしまいます。そうしないためにも、寝る前に吐き出してしまいましょう!
ただし、ジャーナリングはいつ行ってもいいものです。昼でも夜でも、休憩時間や隙間時間でも。重要なのは、毎日続けることです。
自然と続けたくなるような工夫をする
使うのが楽しくなるようなノートやペンを用意する
心地良く、ノートに向き合える環境を用意する(例:片付いた机で書く)
自分がご機嫌・楽しくなることを加える(例:音楽を聴きながら)
自分なりのルーティンを作る
1分でもノートに書いたら、それは「やった」と捉えてオッケー
完璧主義の方へのアドバイス
私も完璧主義なところがあるので、、、何かを習慣化するにあたって、1日でも忘れてしまったら、自分を責めてしまい、凹んでしまい、さらには投げ出してしまいがちです。
最近、意識してるのは、「完了主義」。いつもと違う時間帯であっても、決めた時間より短くても、なにかしらを「書く」をゴールにすると続けやすいと思います。
6. ジャーナリングはこんな方におすすめ!
心配性だったり、不安になりがちな
イライラしたり、嫌なことばかり思い出してしまう方
キャリアの転換期などにいて、自己理解を深めたい方
頭の中で、あれこれと考え続けてしまう方
自分らしく、人生を楽しみたい、と思う方
ジャーナリングの習慣を身につけることで、自分自身の感情と向き合い、ストレス解消に役立てることができるはず。ぜひ日常生活にジャーナリングを取り入れてみてくださいね。
まとめ:ジャーナリングはあなたの人生を変える
ジャーナリングは、単なる習慣以上の可能性を秘めています。自分自身の感情と向き合い、ストレス解消に役立てることができたり。「今のあなた」と「なりたい自分」をつなぐ架け橋にもなると思います。
最後に、簡単なまとめを書いて終えます。
今日からできる3つのステップ
紙と筆記用具の準備
1日のどこかで5-15分を確保する
実際にジャーナリングをやってみる
実践に向けて、3つの質問
今のあなたは、どんな気持ちを抱えていますか?
理想の自分に近づくために、何が必要だと感じていますか?
明日の朝、最初に書きたいことは何ですか?