【読書感想文】たまたま実在する人物、出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない⭐︎山崎豊子「不毛地帯(一)(二)」を読んだ①
例によってネタバレありです。
ご了承ください🙏
猛暑が続いております。
沢山の本の中でも、
やめられない止まらないおすすめ本を
ご紹介しております。
エアコンのきいた室内で読書をお考えの方
のお役に立てれば幸いです💕
1〜5まであるので全部読んでから記載しようと思っていましたが(現在3を読書中)、
絶対長くなると思い、分割に変更しました🙏
平成21年3月発行。山崎豊子氏の著書
「女系家族」の感想文を書くに当たり、
色々と調べ物をしていたら
本作「不毛地帯」が大絶賛されていたという契機で
こちらを読み始めた。
すごい!圧巻!
想像を超えた!
国家が何千万円もかけて養成した
大本営参謀中佐の壹岐正(いき ただし)は、
ソ連軍に抑留され、拷問、強制労働を耐え、
生還した。
途中、もはや死なせてくれ、死んだ方がましだ
と何度も思いながら。
それが商社社長から目を付けられ
今度は商戦に引きずり込まれる。
冒頭の文が始まる前のページに
より小さいフォントサイズで記されている。
が、山崎氏は元新聞記者で、
綿密な取材の上、記事を書く
事で有名だ。
経験者が氏の著書を読んだ時、
「現場は、書いてあるそのまんまだった」
と言うそうな。
「架空の」と言ってはあるが、
モデルとなる「実在する人物」がいる。
(モデルは何人かを複合させ
登場人物一つのキャラクター
がたいていは出来上がるわけだが、
陸大首席、陸軍参謀本部中佐だったのは
瀬島龍三氏であったので、
URLを貼りました)
「類似していても偶然にすぎない」と前書きにおいたことで、
書き手は、思う存分書ける。
ストーリーも作れる。
さすがー、と思いつつ
読み始めれば、
読者は小説の世界に没入できる、
という仕組み…、さすが!(2回目笑)
ちなみに、上記を現中学生に熱く語り、
ふと、
「新聞ってわかる?」
と聞いたところ、
「ぴんときませんね、知ってはいますけど」
と言われる。
そうか、そうだよね、、
かく言う自分も、情報収集は
紙媒体から電子データに移行しているんだよな…
話を戻して、
ロシア、シベリア抑留のパートは、
泣いたし、目を覆う箇所も多数あった、
あまりにもグロ過ぎて。
映像じゃないから読み進められる、
と思うほど描写が緻密だし、
よく生きて帰れたと思うほどの過酷さ、
精神力の強さだ、と思わさせられた。
就寝前の読書用にはお勧め出来ない、
と言いつつ、
やめられない止まらない、で、
実際自分は、
入眠直前まで読んでしまうという…
おお、わたしには珍しく、
中略を入れている!
この事故後に契約が決まり
社長は会心の笑みで言う。
「何なりと君の希望をいうてくれ」
「ではこの際、退職させて頂きたく存じます」
辞職を申し出るが、
社長に突っぱねられる。
(②へ続く)