【詩】空

きみたちは空の住人を模しているから、だからわたしが自分が嫌いで仕方がないと言うとき、「自分を嫌いになるのは、裏を返せば自分がどうしようもなく大切だからで、大切だということは結局あなたは自分のことが好きで仕方ないんだよ」と矛盾めいたことが言えてしまう。他の人が一見つまらなそうな乾いた大地を注視している、そのことを許せないきみたちは、狂気みたいに今日も上ばかり見ろと言う。あなたの頭上にあるのは雲一つない青空なのだからと。
飛行機に乗りたいですか?
いいえ。
空を飛びたいですか?
いいえ。
どんなに空を見ようとも、わたしたちは地上を歩くことしかできないから。地割れが起こって死ぬなんて想像もしないきみたちに強制される自由が、わたしの傍らにあるよ。
希望が星にならず地上に芽吹いているから、わたしたち、足を取られ空に行けないままでいる

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