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風何(ふうか)
2023年11月29日 20:07
虚ろに、窓の外にある夜を見つめて、嫌いな人の話をしながらしか、恋ができない。きみの寝息が聞こえる午前2時、ただ後ろめたさから、夜空に平和を願って、そして、その願いが、いつか、ふとした瞬間に叶ってしまったとしたら、そのときは僕たち、もっともっと広い世界の話をしよう。いっしょに空を見上げて、大きな世界の前で、いつまでも一番の被害者でいよう。
2023年11月27日 19:16
「ふと思い付いたんだ。ある日、絵本作家の幽霊と友達になって、けれどもただ、絵の描き方、物語の作り方ばかり教えてもらっているような、そんなつまらないひとりの少年の話を。」嘲笑にすらなれない仄かな笑いを、いつかの発射残渣のように忍ばせて、揺蕩う水面みたく緩やかに進行する、物語未満のもの。喜劇だ、と呟いて、ひとりでに、にやにやにやにや笑っていた。眩暈に襲われるかのように、追っていたページの文字が、つぎ
2023年11月22日 19:10
Ⅰ対話するってことは、人に銃口を向けるってことなんだけどなあ。でも快感なのかもしれない。空気を貫いた先、きみの眼の上で、紅く、触手みたいに延びた彼岸花が咲いて、僕は、初めて、僕がきみに与えた影響力について思った。それは愛だね。けれども、きみのことを心から綺麗だと思うのと同時に、きみは、僕にとってただの作用点でしかないこと、僕の一生のうちに起こる幾つかの現象のひとつでしかないこと
2023年11月9日 13:21
もう今なら、誰でも好きになれる気がする心からの優しさでひとびとを想ってそうして、角を取るように自らを研磨しそのまま身体ごと消えてゆくこと磨くことがすり減らすことだなんて、考えもしなかったよ輝かないまるい石なんてつまらないだけだとそんなことにも気づかないまま、大人になってしまって、わたしは、もっと心から、人を嫌いになるべきだった。