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雲外蒼天

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このマガジンでは「努力の果てに青空を望む」そんな思いを胸に詩を詠っていきます!(2024 9月~)(写真:兵庫 白龍城より)
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記事一覧

[詩]「吐き出せない」

[詩]「吐き出せない」

やあ

久しぶりなんて

いってやらない

だって私は

根なし草

けれど

根っからの

旅人気質

関係を捨てた

青空の下で

思い出なんかに

囚われないの

ああ

多分貴方より

冷たいだろうね

知ったことかよ

私は貴方を

映す鏡だ

貴方が好い人

だったなら

それなりには

良い対応してやるさ

私の目を見ろ

アンタは私に

何を見た?

好意

失望

羨望

嫉妬

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[詩]「なくしたもの」

[詩]「なくしたもの」

街の片隅で

子供が

泣いている

その光景に

私は昔を

思い返した

幼い僕は

泣き虫で

世界の不条理を

受け入れるのにも

随分時間が

かかっていたっけ

ああ

目の前の子は

怒られている

今となっては

懐かしいや

親は子供に

向き合わない

一人の人として

見てくれはしない

そんな呟き

今となっては

お互い様だな

必死に作った

積み木のお城も

遊びとし

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[詩]「未知数✕」

[詩]「未知数✕」

何もない部屋

東西南北

重苦しい鉄扉

自信なく

こじ開ける

光が差し込む

景色の先で

今までの私が

死んでいく

可能性を

探っていく

今までの私

全て使って

生き残ることに

懸けている

「染まらないで」

「貴方のままで」

自我を保った

アナウンス

「ここにいたい」

「追い付きたい」

意味のない

二面性

抱いてるなら

神になんて

なれないよ

だって

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[詩]「夢の形見」

[詩]「夢の形見」

夢の形見は

遠くで眠る

船出を決めた

旅立ちの港

もう戻らない

過去の景色

19時過ぎた

まくろの空

客観的に

見つめるの

あまりに広い

世界の夜空

未だに輝く

あの灯台へ

未練を捨てた

さようなら

あの港で

過ごした瞬間

1/100の

停留地

懐かしむほど

過去になる

おいてきた人も

いたけれど

元気だろうな

彼らならきっと

私とは違う

青空

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[詩]「春が来る」

[詩]「春が来る」

枯れた葉っぱが

踏み潰されて

日々の空気が

変わっていく

少しだけ

寂しい冬だ

去年と同じ

状態になって

去年と違う

約束がある

だからさ

少しなんだ

気付いたから

前だけを

向けたんだ

じゃあね

終わりを告げて

貴方の横を

通り抜けたなら

春が来る

あの一年が

また過去になる

振り向かないよ

夜桜に浮かぶ

麦の星だけ

憧れた夢だけ

見つめてるか

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[詩]「至らない」

[詩]「至らない」

いつも

空を見ていた

「空の果てには、何があるだろう!」

いつも

終わりに期待した

「果てに至ったなら、私はどうなるだろう!」

しかし

現実は非情だった

手を伸ばすと

夢が終わる

合図があった

逆らうように

足掻いたとしても

結局は

ただ凡人のまま

本質はきっと

変わらないのに

大人になった

そんな気のまま

それでも

私は生きている

嗚呼

夢の終わりは

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[詩]「落ち葉」

[詩]「落ち葉」

落ち葉は飛んだ

地平の彼方へ

誰より強く

誰より孤独に

掴まないで

怖いんだ

人のことなど

知らないから

止めないで

風に揺られて

空に立つ

落ち葉は

飛んでく

物理法則なんて

もうないから

上空へと

舞ってく

枯れた涙腺と

保つ身体が

生きてきた

唯一の証

古巣であった

赤の大木

嫌気が差して

集団から

離れても

経験値に

生かされてく

[詩]「ひとりの価値」

[詩]「ひとりの価値」

この心を

書き記す

ひとりの価値を

書き記す

周りのことも

知らぬままでも

書き綴る

それが全て

ひとりきりの

私なんだ

進む方向を

違えても

帰り道が

違っても

私は私

揺らいでは

いけないの

独りの顔に

戻って

また

前を向く

街頭が照らす

夜の道を

踏み出した

その日

思い出したんだ

ああ

ひとりだって

寂しさもある

[詩]「変わる」

[詩]「変わる」

揺れる身体は

ガタンゴトン

夢に似た

あの目的地を

目指すため

決心した

遠くへの旅

身体が
揺れるなら

心だって

揺れている

そんな感じ

嬉しくても

悲しくても

詠っているの

私のこと

この心の内を

聞いてほしいから

心に眠る

虹色プリズム

視点を変えれば

いつも

可能性が

輝いた

ほら

顔を上げれば

電車の外から

見える夕日

雨上がりの空

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[詩]「夜の街」

[詩]「夜の街」

天井を塞ぐ

聳えるビルは

星の代わり

蛍光灯が

照らすのは

人で出来た

箱の街

車の駆ける

21時に

営業の終わる

商業施設

佇んだ私は

一人きり

街では

誰もが

一人きり

各々の日々を

過ごしてる

知らんぷり

裏路地に

闇を隠して

輝いている

夜の街

責任は全部

自分で取るから

誰も私を

咎めない

ああ

夜の街とは

そういうもの

[詩]「オープニング」

[詩]「オープニング」



一つ始まり

一人始まる

人間は変わらないようで

変わっているものだ

年を重ねて

経験則から

悟ったこと

自分のこと

殺したくないの

それでも

気にしてしまうから

相手のこと

けっして

悪くはいえないや

だから

自罰的に

なってしまう

きりがないと
知ったから

そんな自分を
辞めてしまおう

壊れるよりは

自分本意でいよう

そう決めたから

きっと

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[詩]「エチュード」

[詩]「エチュード」

恋をしたら

終わってしまう

いつもそうだ

一度終わってしまったら

もうどうすることも出来ない

泣き腫らした青空

独り佇む猫

眠気眼の午後4時に

思い出したかのように

日が沈んでいく

変わりたくなった

新しい服を買った

新しい髪型にした

見た目だけでも

生まれ変わりたかった

もっと素敵な自分になって

貴方を後悔させたかった

次に

心の中の貴方を殺した

身元が特定

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[詩]「まだ春は」

[詩]「まだ春は」

今生きて

年が明けても

春はまだ

迎春なのに

凍っている

薄氷の池

覗き込めば

私が映る

そう

私なんだ

何度見ても

変わらない

どんな顔を

していても

私は私

息を吐いたら

白く煙る

眠り落ちたら

夢見る富士山

不死の薬を

溶かしてよ

永遠はないし

春はまだこない

冬のままの

空を飛ぶ鷹

NASUを

落としたら

[詩]「せめて美しく」

[詩]「せめて美しく」

一足速く

108

鈍く鳴り響く

除夜の鐘よ

どうか憎しみを

消し去って

弾けるように

枷が外れた

6:30の

夜明け空

はじめてみた

散歩道で

見知った街の

知らない姿

退去した

心の死体

ああ

夜が開けていく

あの空のように

やりようのない

怒りを消し去って

楽になりたいな

煮えたぎるから

今日の夕焼けが

濃くなっていく

頭にくるんだ

理由じゃ

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