ヨミマシタホン No.13
『塞王の楯(さいおうのたて』今村翔吾 (集英社: 2021年 2,000円+tax)
2021年下半期 第166回直木賞受賞作、である。
タイトルを見た時、中国が舞台の歴史モノ? と思ったがさにあらず、ごく簡単に言うと戦国時代の石垣を作る職人集団の話、であった。
お城などの石垣、と聞いて、思い出したことがあった。遺跡発掘のアルバイトをしていたときに見た、美濃の辺りの、確か信長が作ったとかいう山城と、小田原城の石垣。読んでみようと思った。
その職人集団のことを穴太衆(あのうしゅう)と言うらしい。その名称を、タモリ倶楽部か何かで聞いたことも思い出した。
例によってポチッと図書館リクエストをしてから約半年後。あなたの順番が回ってきましたとのメールを受け、窓口に取りに行くととてつもなく分厚い( 厚さ4cmほど )。552ページある。
一瞬怯んだが、
ーーー大丈夫、主なら読める。
と本が語る。
のを聞いた気がして(しかも読んでいる間に何回か)、
どうなの〜と思った。
ほんの最初の出だしだけ、文体に慣れるのに手間取った。歴史モノだし読めない漢字が少々。しかし分からないモノは最初だけ調べれば、ほぼ同じ語彙が繰り返される。よってその後は煩わされることはなかった。
主人公に対するライバルがいて、戦をしながらの石垣積み。
エンターテイメントの要素が万歳で、話も二転三転する。最後までハラハラドキドキの緊張感を持って三日程で読み切った。
ところで主人公は、石の声が聞こえると言う。そんな話だから、この本も「主なら読める」と語った? ・・・いや〜まさか〜。
💙💛
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