2024年ベスト本 厳選36冊
最近、Timelesz_projectの話をしすぎて、危ないかもしれない…??と我を取り戻しつつある。人生かけて頑張っている候補生を応援するために、今後もnoteで長い文を綴っていたいところだが!
2024年を振り返えると、そういえば小説書きの本読みだったなと我に返った。ひとまず、今年のベスト本をまとめてみよう。ジャンルごとに並べているので、そこまで順位は関係ない。36冊になってしまった。
面白かったマンガ
36位 神様なんか信じない 僕らのエデン
オメガヴァースBLを初めて読んだ。たしか SFマガジンの特集でオメガヴァースの設定を知って興味を持ったはず。オメガヴァース現象が初めて起きた世界で、出会った学生2人の物語。
35位 オメガ・メガエラ
一日一冊マンガを無料で読んでたときに、出会った作品。オメガヴァースものに惹かれたきっかけになった。どうしてもイチャコラするためになりがちな設定を、物語にしっかり落とし込んでいるのはよかった。ちょっとレトロなお屋敷学園ドラマの世界観とビジュアルも好き。
34位 後ハッピーマニア
アラフォーの物語がまさに「中年の危機」。自分もいずれこうなってしまうの!? という感覚で読んでる。(そんな機会はないだろうが😅)不倫、略奪、恋愛、就活…。同世代は結構読んでいるので、意外にみんな共感しているのかも…
33位 婚活バトルフィールド37
婚活をユーモアにしたてて、ステータスやルッキズムで辛辣になりがちな展開を和らげてくれるのがいい! 恋愛弱者だけど実はまめとか、強者に見えても訳ありなど、一癖も二癖もあるキャラクターが婚活市場で勝利を求めているのはまさに「バトル」! 実は主人公には類まれな才能があったけど…という小ネタがツボ。
32位 フラワーオブライフ
エッセイを読んで、よしながふみ作品を読み漁りたい…という気持ちで購入。作者的には今の時代なら作らない設定と言及していた。理不尽さや家族というテーマがてんこ盛りだけど、それを乗り越えていくのがフィクションであり、リアルなのかなと思う。好きな作品。
31位 春の嵐とモンスター
ミユキ蜜蜂は天才! 「愛」がわからない少年と少女が、家族となって「愛」を問う物語。これは家族として? それとも1人の異性としての感情なのか? をぐらぐらくらくら読者を攻めてくる。
表紙のカヤくんの造形が素晴らしいので、ぜひ読んでほしい。
30位 日本の月はまるく見える
中国人BL作家の悲喜交々が描かれる。表現規制の厳しさから、BLを書くために日本でのデビューにかける主人公の努力が眩しい。
向こうの婚活市場も大変なんだな…と垣間見えるので、婚活バトルフィールドが好きな人は面白いかもしれない。
29位 死に戻りの魔法学校生活を元恋人とプロローグから
今年は死にプロで始まった年だった…。なろう小説原作を読んで、漫画で号泣した。ハリポタ以後のSFF、ループ×「両片思い」の設定に胸が苦しめられる〜! ステレオタイプな恋愛描写が若干鼻につくのだけど、それが漫画では、ど恋愛コメディで演出していて好感が持てる。
面白かった小説
28位 わたしのしあわせな結婚
オーディオブックで聞いた。なろう小説から映画化、アニメ化までした大ヒット作。大正明治時代異能力ファンタジー。読者層が明確で、あらすじに「SF」って書いてない所に、どうして〜ってなる。「SF」って書いて読まれる世の中になってほしいな。タイトルもパンチ効いてる。
これが好きな人は、芦沢央の「九月某日の誓い」を読んでほしい。『新しい世界を生きるための14のSF』に入ってるよ。
27位 ここがヴィネトカなら、きみはジュディ
表題作が読みたくて。パッチワークのように時間が切り替わりながらも、試行錯誤の果てに巡り会えるのは胸熱…。恋愛時間SFがたくさん収録作されているのでオススメのアンソロジー。「限りなき夏」が好きすぎて、プリーストが読みたいんだった〜。未来の文学、買うか…
26位 タイム・リープ あしたはきのう
日本のタイムリープと言えば! 新装版がKindleUnlimited 対象だったので読んだ。
突然時間を跨ぐようになってしまった女の子とそれを助ける男の子の話。
作中に出てるタイムリープの図を描きたい。
タイムリープの原因がショッキングではあるので、他人に勧めにくいなとは思う。
25位 紫色のクオリア
KindleUnlimited対象だったので。王道百合じゃん!時間SFじゃないじゃん!って思いながらも楽しく読んでたら、ゴリゴリのハード時間SFでビックリした笑
ちょっと途中でだれるけど、ラスト素晴らしいので最後までぜひ…
24位 時の娘 ロマンチック時間 SFアンソロジー
恋愛時間SFにうっとり。デーモン・ナイトの「むかしをいまに」めちゃくちゃ好き。遡る時をどう表現するかって、めちゃくちゃ物語論。安易に進まないのが、かっこよー!ってなる。
テネットの世界観を、テキストでも取り組めるんや…ってなる。
デーモン・ナイトの他の作品が読みたいのだけどなかなか手に入らなくて残念。
23位 黄金蝶を追って
どの短編読んでも泣いてた気がする笑
坊ちゃん賞佳作作品。日曜日の次の日が自分だけの1日であったら…?センス・オブ・ワンダー「日曜日の翌日はいつも」のラストを見届けてほしい。こんな引き算の効いた文体で書けるようになりたい。
22位 森崎書店の日々
ちよだ文学賞受賞作。神保町の古書店での暮らしをきっかけに主人公は自分を見つけ出す物語。神保町も再開発で変わるなか、この本が街の様子を記録していくのかも。三省堂の下のレストランはもうないので…
いつも混んでるから「すぼうる」に行ったことがないのだけど行ってみたい
21位 ゴリラ裁判の日
オーディオブックで聞いた。オーディオブックで聞くのに適しているのと、適していないのがあると思っていて、これは前者! 言語を理解したゴリラに、人権はあるのか? ドラマとして抜ける部分がないのが凄い。
色々と立場は違えどエンパワメントされる部分もあって泣きながら聴いていた。おすすめ。
20位 をんごく
こういう小説が描きたーい! という理想。ホラー大賞は応募しやすいし注目度高いし好きな文学賞のひとつ。キャラクターが強い一方で、文体にも神経が通っていて読んでいてうっとりする。文体も凝りつつエンタメするのって難しいからすごい。
19位 ラビット・テスト
紙魚の手帖にて。中絶が禁止された世界で、人々がいかにその権利を得るべく戦ってきたのかが語られる。読んでる間苦しい思いも湧き出て来るのだけど、これまでの戦いの軌跡なのかもしれないと思うと、前を向ける。
面白かった選書など
18位 BL研究者によるジェンダー批評入門
今1度読み返すと、分かってないことが多かったな…と思う。最近は『バトラー入門』を読み進めているのもあって、類書を読んでから再読すると更に理解できそう。当たり前のことを当たり前として押し付けたり、自分に引き寄せて評価したりしていないか自信がない…
17位 欲望のコード
ティーンズラブを考察した珍しい本。当時のやおい文化、レディースコミックとの比較があって面白い。ティーンズラブって当初は名前のとおりティーンズのものだったんだけど、いつから対象年齢が上がっていったのか気になる。
物理本で手元に置いておきたいけど、なかなかお手ごろな値段で見かけないね…
16位 ある行旅死亡人の物語
たしか小説家の斜線堂有紀が読書日記でオススメしていたのがきっかけ。
孤独死した女性が残したもの。現金3400万円、星形マークのペンダント…などから女性の人生を探っていく。
事件を感じさせるようなシチュエーションなのだけど、分からないことはそのまま…っていうのが潔い。ウェブ記事からの書籍化っていうのも新しい。
15位 「非モテ」からはじめる男性学
現代思想の友達の現在をきっかけに読みはじめた。「モテる」か「モテない」かという基準が男性コミュニティにはあって、それが関係の持続の難しさにもなっている。
オーディオブックで聞くとこういう時読み返しにくいのが残念。
14位 「ぴえん」という病
これも現代思想の友達特集から。ホスト狂いであった筆者からみた、歌舞伎町に集う人たちによりそう視点は優しい。彼らは敏感に大人の視点を感じとって、心のうちを明かしはしないだろう。
13位 自傷的自己愛の精神分析
オーディオブックで。これって自分のことじゃんと感じた。理想に届かなくてモヤモヤして自分なんかダメだって泣きじゃくるタイプ。
最近は、なんとか少しでも挑戦し続けられてるせいか、羨んだり悲しんだりすることがだいぶ減ってきた。支えてくれる人間関係に感謝。
最近は読んだらすぐ感想をアーカイブしてないから色々忘れがち。読んだら感想を書く習慣を身につけたい。
12位 アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?
家庭内労働を経済は無視してきた経緯を丁寧に書き出していく。そこまで新しさを感じなかったのだけど、文芸評論家が『ダンジョン飯』について語るときにこの本を引用していて、理解度が段違いすぎて唸る。
オーディオブックでながら聴きだと数は読めるけど深く理解できているのか自信がない。
11位 女子の働き方
MEGUMIの美容本のなかで紹介されていた。めちゃめちゃ納得感がある本なので、多くの人に勧めたい一冊。面子を大切にする感覚とか本当に訳がわからなかった分、言語化されてかなりクリアに認識できるようになった。自分中心で働く思考術も、結構取り入れられている気がする。また読みたい。
10位 男性中心企業の終焉
オーディオブックで聞いたはずだけど、一度noteにまとめたおかげか? 他と比べて結構内容を覚えていた。多様性、ダイバーシティっていう言葉をちゃんと腑に落ちて扱えるようになった気がする。
9位 お砂糖とスパイスと爆発的な何か
批評講座を受けるに当たって読んだ。映画ロミオ・ジュリエットのヒロインがそんなに美しくない説は面白かった。映画に詳しくない分、もっと積極的に見ていきたいな。
他にも、クローンや女性だけの世界設定、ディストピアとユートピアのジェンダー描写の限界とかまだまだ噛み砕けてないところは多いから再読したい。
8位 魔女狩りのヨーロッパ史
次に紹介する本の影響で手に取った。オーディオブックで聞いたはず。権力に従わない自活する人や、民間療法士などの在野の知識有力者を市場から追い出す目的で「魔女」は作られたのだと。良書なので物理本でも欲しい。
7位 翔ぶ女たち
文学の読み方を新しくしてくれる人の本が大好き。アニメ「水星の魔女」について、「魔女」とは何か、「ケア」とは何かを示してくれる。読んだあと、アニメを一気見した。ただの百合ものと思っていた自分がアホだった…
シェイクスピアへの感度が高まっているから「テンペスト」よみたい。
6位 射精責任
出ると聞いてすぐに買って読んだな。家族に勧めたけど、ちょっとタイトル的に手に取れなかったのが残念。赤子の遺体遺棄事件のニュースを見ても、容疑者として上がってくるのはどうして片方だけなのか。中絶する際には同意を求めてくるのにとかいろんなことを考えた。良書。
5位 わっしょい妊婦
年齢的にも出産適齢期。いろんな本を読んでたなかで、そんなに怖がらなくても大丈夫なのかもと思えた。パートナー側のコメントもあったせいか、意外にも家族も読めたのは収穫。
感想が違うのは、出産する側としない側だからなのかなとか思ったりもした。
4位 母を捨てる
ネットギャラリーで読んだ。トンボありのPDFで読みにくくても一気に読破。母と娘の関係に全くの欠点がない人っているのだろうか?
反抗できずに己を殺してしまった人がどれだけいるのだろう。
3位 バズる文章教室
文体のこり方って、小説を創作するひとなら一度は考えて超絶技巧的な文体に憧れて空中分解するのだけど。それを推し活とかバズりとか、小説から外側の、文章に応用するのは面白い。
練習として、効果的な文体を意識的に使ってみたいよなー!と思っている。
2位 小説道場 一巻
いろんな創作指南本を読んできたけれど。こんなにインディーズに寄り添った本を他に知らない!『JUNEの時代』も話題だったけれど、そのJUNEで連載されていたBL作品の添削内容がまとまっている。
言葉の感覚が鋭くてなお、人間性に魅力があるというか。その人のパーソナリティーさえも磨こうととしてて最高。愛がある。
熱量が半端ない。例えるとタイプロみたいな熱気。
1位 フレンドシップ
好きなライターさんが紹介されていて。友達の効能から、その作り方の難しさ、そしてその作り方まで幅広く語っていておもしろかった。
実はnoteで、この本の感想を書いたり、ともだちについてのnoteを書いてみたりしていると、意外にも反響があって感想をもらうことがおおい。
友達に悩みがあったり、接し方がわからない人は読んでみるといいかもしれない。
自分の場合は、よくないマインド「人は他人に興味がない」から「人は私が好きである」に移してからだいぶ、ストレスなくすごせている。気持ちの整理をつけるのは結構たいへんだったけどね。読めてよかった。
余談
昨年は資料を読んでかくということをあまりしなかった。
今年は長編にトライしたいのでふっとい本を読むぞ。
読んだら感想をあげるようにしたいな
おわり。