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【詩】キッチン

タマゴを買ってくると

君は部屋を出た

ドアのむこうで泣いていた

君は少し泣いていた


町に連なる家の窓

灯りが見える夕暮れ

夏でもなく秋でもない

ただやさしい季節


うまくいかないことが続くと

君はすぐに君自身を責めるから

僕はいつも君をかばう

ケンカになることもあるけれど

君がわかってくれるまで


君はよく笑って怒っては、よく泣いちゃうけど

君の未来にきっと僕が必要だよ

だからキッチンで待ってる

タマゴが入ってる冷蔵庫の前で

僕は待ってるから

早く帰っておいで



町に連なる家の窓

灯りが見える夕暮れ

夏でもなく秋でもない

ただやさしい季節


僕は待ってるから

早く帰っておいで




☆☆ミニ作品解説とおしゃべり☆☆

「君」は「僕」にとっての恋人でしょうか。または友達?家族?

夏が終わって秋を迎えるやさしい季節なのに大切な人と小さなケンカをしてその人は怒ったまま買い物に行ってしまいました。

「僕」はその人の帰りを待っています。いつもちゃんと待っています。そんなシーンを書きました。


やさしい季節は台風の季節でもありますが…笑。



※こちらの作品はstand.fmにて私、松本が2022年12月に朗読しています。
よろしければ「声」でも聴いてみてくださいね。

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