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【詩】冷たい雨と緑の匂いと

冷たい雨と緑の匂いと 

もっと上手く生きたいなら

後ろを振り返らず

前だけ見ればいい

そう 言われたけれど


僕は何度も振り返る

あの日に出会った君が

僕の中から消えないように


あの日は

しずかな雨が冷たくて

やさしい緑の匂いがした

僕は君を見ていた

君は何を見ていたのだろう


消せない記憶は生きる意味となる

少しずつ僕に寄りそうように



もっと強く生きたいなら

後ろを振り返らず

自分だけを信じればいい

そう 言われたけれど


僕は何度も振り返る

あの日の若い僕らは

精一杯 強がっていた


あの日は

やまない雨が冷たくて

あわい緑の匂いがした

僕は君を見ていた

君は何を見ていたのだろう


消せない記憶は生きる意味となる

少しずつ僕を支えるように



あの日は

しずかな雨が冷たくて

やさしい緑の匂いがした




☆☆ミニ作品解説とおしゃべり☆☆

今回の作品は「生きる意味」という、人間の命題・永遠のテーマ(かもしれない)の言葉をストレートに入れてみました☆

過去に起こった出来事で生まれた感情は、時を重ねてゆくと少しずつそのカタチを変えてゆくかもしれない…と私は思っています。その変化の様子をグラデーションのように表現したいと、この言葉選びになりました。

ちょっとマイナーコード的な仕上がりになったかもです。


※この作品は後日、音声アプリstand.fmで朗読しています。


©︎ 2021 松本アニー

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