わたしの好きな曲(唇が喜んでいます)
平井 堅 『ノンフィクション』
【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームが廃盤になって以来、唇が不穏だった。デパートのコスメカウンターで似たようなものを物色してみたり、@コスメで評価の高いリップクリームを試してみたり。でも、どれもしっくりこない。困ったよう。唇が不穏だよう。ぷるぷるの唇が恋しいよう。
わかるわかる。「高保湿」とか「うるおい持続」とかね、書きたい書きたい、はいはいはいはい気持ちはわかる。しかしリップケアアイテムであるからには「高保湿」とか「うるおい持続」は備えて当然の機能であり、声高に謳うまでもない。【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームを知ってしまったわたしはもう想像に難くない潤いレベルには後戻りできないのだ。どんなにかっさかさ(がっさがさでもいい。)の唇でも、これを塗ったら途端につやつやのぷるっぷるになる。唇が瞬時に生まれ変わる。そんな体験をさせてくれたのが【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームだったのに。だったのにー。
思い出は美化されがちなので、【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームがこれからもわたしの中のリップケアアイテム歴代チャンピオンの座を他に譲り渡すことはないと思う。そんなわたしにかかってきては次々に張り倒されて敗れてきた数々のリップクリームたち。もうベストではなくベターで手を打つしかないのか、と思いかけたその時に出会ったロート製薬のリップフォンデュ。
リップグロスの下地として使うことを想定しているのでカラーはクリア。寝る前に塗ると翌朝プルプルレベルではなくて、塗った瞬間にぷるっぷる、この感覚は【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームの記憶を彷彿とさせる。この柔らかいテクスチャーでスティックタイプの形状でいられることが不思議。費用対効果は控えめにいっても最&高。あとはこれが化粧ポーチに入れて持ち歩いた場合にどうなるかを検証する必要がある。
少なくとも持ち運びを考慮しなければ、今のところこれにかなうものはない。(【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームを除いては)。寝る前に塗る、そして朝のメイクの際に塗る。これでわたしの唇の平安は一日中保たれている。なかり高いレベルで。
@コスメの口コミはさほど高くない。主な理由はべたべたが過ぎるというもの。たしかに見方によってはそうなのかもしれない。べたべたというほど濃いテクスチャーではないように思うけれども、ふつうレベルの保湿効果を求める人にはたしかにベタベタだと感じるかもね。【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームもかなりさらっとしていたし。しかし【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームはすでに廃盤になっておりこの世にはもう存在しない。迷える子羊であるわたしにとっては、今のところ【shu uemura】のディプシー ハイドラビリティー リップ バームに次ぐ、歴代2番目の潤いレベルをもたらしてくれる素晴らしいリップケアアイテムである。
試用期間中のため、コスメマガジンには入れないという冷静な態度は保ちつつも、ちょっとこれすごくない?という逸る思いから筆を執った次第であります。おしまい。