【現代詩】次の季節に吹く風よ
あれは紅葉がひらひら揺れ落ちて
木枯らしがささやきはじめた11月
あなたは私にさよなら告げた
もう冷めかけていたけれど
あなたに言わせるつもりはなかったの
駅まで送ってくれないあなた
あなたの冷めた吐息だけ伝わってきた
あれは灯り輝く街路樹の下で
北しぶきに小雨がちりばむ12月
あなたはさよなら取り消した
あなたが遠ざかるのが怖かった
もうこれでいいと納得してたのに
心の時計針が逆さに進んでいく
それはあなたも同じだったのね
空風の凍えをすうっと胸に秘めて
新たな年を刻み始める今は1月
あなたに返事ができないまま
真新しいブーツに履き替えても
ずっと迷い道の中にいる私
次の季節に吹く風よ私を
心の雲の晴れ間に連れて行って
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