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1〜5分の物語

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1〜5分で読めるオリジナル短編小説を収録。 文体や読後感は、それぞれ違います。 1分で600文字くらい読めるかな、と適当に計算した時間です。
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#ショートショート

なめる。

 私の好きなもの。それはアイスクリームです。  アイスクリームをなめるときは、目を閉じま…

きみのよろこばせ方

「クリスマスの夜、愛子にプロポーズをしようと思っている」  公園の木々が色づき始めた秋の…

クリスマスの落とし物 

 十二月二十五日、僕は、言葉を拾った。    クリスマスのその日は、午後から雪が降り始めた…

ラストオーダー 

 詩と暮らす、ってサイト知ってる?    ちょうど一年前の朝、鏡に向かってネクタイを締めて…

ハッピー・プロポーズ 

 誕生日にプロポーズする。  僕は、遠距離恋愛中の彼女の誕生日に、結婚を申し込むと決めて…

美しい鳥籠 

「今日は、この籠の中に鷺を入れました」  テーブルの上に置かれた美しい鳥籠。その籠を見つ…

僕のプロフィール

 吸血鬼。日本在住。好きな人の血が好き。  noteにプロフィール欄があることに最近気づいた。他の人のプロフィールを覗いてみると、年齢や職業を書いているだけの人から、これまでの人生を事細かに書いている人まで、いろいろいるようだ。    僕はこれまで、noteにはフィクション記事しか投稿していない。そうだな、たまにはノンフィクションも良いかも知れない。プロフィール、僕の真実。まぁ、興味のある人だけ読んで欲しい。  まずは、僕が『僕の正体』について気づいた日のことを書こうと思

珈琲と呪文 

 珈琲と呪文。このふたつの組み合わせで、気持ちがふっと軽くなった人の話を、今日はしたいと…

元気を出してコンドル

 その女性は、斜め向かいのアパートに住んでいる。名前も年齢も知らない。  一年ほど前の日…

この生温い世界で(笑)

「チッ。蛾が入った」  舌打ちをする男の声が聞こえた。 「ガ? 蛾がどうしたのよ」  女の…

未熟な夏

 僕は急な坂道を歩いていた。  頭の上には真夏の太陽があって、蝉がぐわんぐわんと鳴いてい…

破壊

 私は二日前の夜を思い出す。  あの夜、慎也は、明かりのついていない自宅を不審に思ったの…

乾杯サンタ

 クリスマスの夕方、私は美容室の扉を開けた。 「いらっしゃいませ」  店の奥から、予約時に…