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PP袋vsサランラップ、パネル型ソーラークッカー二重保温において内側の素材にラップは使えるか?実験
私が使っているパネル型ソーラークッカー、保温がとても大事なので保温方法について色々と調べて実験している。今回もそういう話です。結果は「ラップを代用にすると、PP袋包みに比べて芋の内部温度が‐10℃下がる」「ただし温度計測のため温度計挿すと穴から熱が逃げてそも温度が下がってしまう」だった。結果の読み取り方がちょっと難しい。詳しくは最後の「まとめ」を参考に。
使えない事は無いです。ポリプロピレン製ビニール袋は保温力あるみたい?中に入った空気のおかげ?なのかは分からない。
実験を思いついた経緯
2024年夏からソーラークッカー沼にはまって初めて迎えた真冬、気温が低く太陽高度も低い冬にパネル型ソーラークッカーがどれだけ実用に耐えうるのか?を調べているけれど、サツマイモ超美味しく作れる程度の熱は得られることは分かってきた。
私が普段やってる保温は、ナガオのクックボウル(ポリカーボネート製ボウル)を2つ組み合わせたドームの中にHEIKOパン袋1斤用(ポリプロピレン製ビニール袋)を使用した二重保温だ。その中に黒ホイルで包んだ食材または黒メスティンに入れた食材を置いて加熱する。
最近、サツマイモをサランラップで巻いた上から黒ホイルで包むと、より保温効果が高まるらしい事が分かった。
さて…ラップってもしかして外側の、ポリプロピレン製ビニール袋の代用にはならないの????
と疑問が湧いたので、確かめてみることにした。
準備
サツマイモをサランラップで巻いて、黒ホイルで包みます。これは以前検証した通り保温に有効なので!
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保温方法を変えて用意。
HEIKOパン袋1斤用(ポリプロピレン製ビニール袋)に入れたもの
周りをサランラップで包んだもの
の2パターンを用意します。サランラップで包んだのは2本用意。普段と同じパン袋に入れた方は間違いなく美味しく仕上がる。今回、初めての試み!サツマイモの内部温度を測定するために温度計を突き刺した。
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温度計挿しにくいので、最初に包丁の先を刺して切れ目を作り、そこにお箸挿して穴を開けてから温度計挿してます。なお温度計は天ぷら用のものと燻製用のものです。普段から使っていて計測値に差異は無いのは確認済みです。
これらをケーキクーラーに乗せてポリカーボネート製ボウルを組み合わせたドームの中に入れて実験します。
実験開始
2025年2月、10時開始。手前のエデュクッカー003を使用します。
先に書いておきます、この日は13時から曇ります。同時に別の実験していて、奥に写っているのはソーラークッカー沼仲間のミシマさんが考案したパネル型ソーラークッカー「アルマジロ」です。曇って失敗したので今後また実験する予定なので後日まとめますね。
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11時、この日は寒波が来てて寒かったんですよ…こんな日に実験するのもまたパネル型ソーラークッカーの性能の限界を知るには良かったけど寒かったね…。
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今回はサツマイモ内部温度です、温度計突き刺してますので。温度計自体が太陽光を遮ってないか??と思いながら目盛りを読み取る。
ポリプロピレン製ビニール袋包みは70℃にもう少しで届く?サランラップ包みは60℃。資材の差がもう出た!何度も書きますがサツマイモの内部温度です。サランラップの方はそこまで美しく巻いてないので皺や重なりで乱反射起こして白く光ってる分、太陽光が内部まで届いていないのでは???あと内部に空気も少ない。空気は断熱材としての役割もあるので、その辺が影響していそう??
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12時、ここからは常に±10℃の温度差を保ちます。この日はこの時間帯が一番日差しが強かった。
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なお、日本いも類研究会の資料によれば美味しい焼き芋作りにおいてサツマイモの内部温度は65℃〜75℃を30分〜60分キープ出来ると酵素のβアミラーゼの作用で甘くなるそうです。
日本いも類学会「焼き芋早わかり解説」
https://www.jrt.gr.jp/wp-content/uploads/78-80.pdf
一応、両方その温度はクリアしている様子なので食べられるとは思う。
13時、突然曇って号泣しかない。
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サランラップ包み67℃、PP袋包み75℃。サツマイモ加熱にはギリギリのいい温度を保っている!!エデュクッカー003がんばれ!!PP袋包みは温度計が倒れて結露のせいもあり読み取れなくなってきた。いつもこれだよ!
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まだ諦めない!雲晴れろ!!
14時、雲はあるけど日差しはあるぞ!だけど温度はゆっくり下がっている。
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15時、時折日が射すけど雲は多く温度はダダ下がり。サランラップ包みは47℃くらいPP袋包みは温度計が変な位置で結露酷く目視でも確認できませんでした…ここまでで撤収した。
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日向の外気温16℃、多少は上がってた。
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結果発表
15時、撤収。結果が面白かった。HEIKOパン袋1斤用(ポリプロピレン製ビニール袋)に包んだものは間違いなく美味しく仕上がっていた予想通り。温度計を挿していた個体を割って食べたけど甘く仕上がってた。高い内部温度をキープ出来ていたので納得。
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サランラップ包みの結果は面白かった!温度計挿した方が加熱不足起こしてた!!!
左は温度計刺してた個体で明らかに加熱不足で甘くない、シャリシャリする食感で不味い。右は温度計刺してない方、PP袋と似たような仕上がりで、若干甘味は劣る気もするが美味しく食べられるレベルだった。加熱出来てた。計測用に空けた穴から熱が逃げてしまうという学び!!
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加熱不足のサツマイモは料理に使って責任もって食べました。
まとめ
まとめるのが難しい…
二重保温の内側の保温資材において、HEIKOパン袋1斤用(ポリプロピレン製ビニール袋)の代用としてサランラップで巻くと、内部温度は‐10℃となった。ただしこれは両方の状態に温度計を計測の為刺している穴が空いた状態の温度である。
HEIKOパン袋1斤用(ポリプロピレン製ビニール袋)は計測用の温度計挿していても温度が高かった、他の個体内部は更に温度が高い可能性もある。
サランラップで巻いたものは穴が無ければ、サツマイモを美味しく蒸すのに必要な温度まで上がっていた。
資材が尽きてラップしかない時でも、天候がずっと良ければラップ包みでもサツマイモの加熱は可能と思われる。
ただし穴があったり巻きが不十分だと熱が逃げて加熱不足を起こす可能性もある。
という事が今回分かった。保温力はPP袋>ラップみたいだな??計測穴の無い状態でのPP袋&ラップの、実際の内部温度が分からないので断言するのに躊躇する。計測する方法が思いつかないよ…。穴が無ければサツマイモを美味しく蒸せる限界温度は超えていたので、双方実際何℃まで上がってたのか分からん。やはり温度計挿さずに表面温度計測が良いのかな。でもラップ包みだと温度計読めるのだろうか…結露がな…と考察が堂々巡りになってまとまらない。
一番最初に「ポリプロピレン製ビニール袋は保温力あるみたい?中に入った空気のおかげ?なのかは分からない。」と書いたけど、何故この差が出たかの考察は私はポンコツなのでしないでおきます。実体験としてこうだったよ!って記録だけにしますね。
今回みたいに真冬で途中で曇るような天候でなく、暖かい季節ならラップで代用もありかな。PP袋に比べてラップの場合、温度は低めになるかもという前提で使うといいかな。
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