自分を責めるなら「状況」のせいにしてしまおう
現代は、感情の消耗戦。
当然のことながら、SNSによるメンタル低下というピンチは、インターネットがなかった時代にはありませんでした。
全世界と簡単につながりやすくなった反面、今までに経験したことのないような膨大な情報処理を求められ、その過程においてメンタルを消耗していくなんて事態も生じている。
そんな現代において大切なことは、「心穏やかに過ごす」というテクニックなのかもしれません。
かなり前になりますが、こんな記事を書きました。
「全ての悩み事は人間関係から生まれる」といわれるように、やはり対人の仕事は、真剣にメンタル安定テクニックを複数もっていたほうが良さそうです。
そんなメンタル安定テクニックの一つとして本記事では、「状況のせいにしちゃえ!」という方法を紹介します。
いつも自分を責めてしまいがちな人は、ぜひとも読んでみてくださいね。
▼ぼくたちは基本的に自分を責めてしまう
人間の感情というものは、複雑なようでいて単純な側面もあります。
例えば、「天気」のような自分ではどうしようもできないことで気分が上がったり下がったりする。
ジェリー・クロアさんは、イリノイ大学アーパナ・シャーンペーン校の学生たちに「電話をかけて幸福感に関する質問をする」という実験を行いました。
その実験で確認されたことが、
「一時的な幸福感は、雨の日よりも晴れの日の方が高い」
ということだったのです。
きっと、快晴の日は気分も晴れ、曇りや雨の日はなんとなく気分が沈むという経験をされた方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、幸福感が高い学生ほど「自分の人生は上手くいっている」と考え、「人生を変えたい」と願う気持ちも低いことが確認されました。
ただ、この実験のおもしろいところは、
「電話の中で天気の話題に触れられると、天気による気分上下の効果はなくなる」
ということも分かったのです。
もう少し説明を加えると、
「幸福感が最大とするには、『天気がいい』ということに触れないほうがいいし、絶望感を解消するには『天気が悪いからだね』と天気に触れた方がいい。」
ということ。
要するに、「なぜ、今の自分はこのような気分なのかを考えないような状況だと人間は自分自身のせいにしがち」ということなのです。
では、この実験結果を日常生活の中にどのように生かしていくのかを次章で書いていきますね。
▼気分が落ち込んだら「状況のせい」にした方がいい!
前提として、日々の生活の中を幸福感いっぱいで過ごしている人は、もうあれこれ考えなくてもよいのです。
しかし、どうしてもネガティブな情報を多めに捉えてしまうような性格の方にとっては、この実験結果が大いに役立ちます。
きっと、ネガティブ思考の人は、「うまくいかない」という感情を抱きやすく、そのような状況を「自分のせい」にしてさらに気分が落ち込んでしまうことがあるでしょう。
もちろん、この負のループから抜け出すことが必要です。
その抜け出し方の一つとしてエセクター大学の臨床心理学者であるエドワード・ワトキンスさんが行っている「状況の中に原因を探す」という方法を紹介します。
先ほども話題としたように、通常のぼくたちは、「今の気分を自分のせい」にしてしまいがち。
「落ち込んでいる」という気分に対して「なんで自分は〇〇なんだ」と自分の中に原因を探してしまうのです。
この負のループを変えるには、
「落ち込んでいる気分となった『きっかけ』を自分の行動の中から探す」
という方法が超絶有効です。
例えば、子どもさんとけんかしてしまったとしましょう。
「なんで、いつもうまくいかないんだろう。」
「親なのに大人げない自分が嫌」
みたいに、「きっかけ」をはっきりさせない状況では「自分の人間性を責める」という手段に陥ってしまいます。
しかし、けんかしてしまった原因を「状況」から決めつけます。
「今日は天気が悪いから、気分が落ち込んでいたんだろうな。」
「昨日は忙しくて少し睡眠不足だから、子どもに辛く当たっちゃったな。」
「子どものためだと思ってアドバイスしたのに言い返されたから腹が立ったんだ。」
というような感じで、子どもさんと上手くいかなかった状況を思い出し、原因を特定していくのです。
すると、「自分の人間性に問題がある」という自分を責める思考から、「あぁ、ここで〇〇しておけばよかったな。」という特定の状況における選択肢を間違えたことに気づく。
すると、天気と気分を関係づけた実験のように、「絶望している気分」を軽くすることができるのです。
あくまでも、「うまくいかない」という今の状況は、「自分という人間」が原因なのではなく、「自分がとった選択肢のせい」としてしまえばよいのです。
原因となった「状況」が分かれば、次の対策もとりやすいもの。
反対に「原因は自分の人間性」ということにしてしまうと、より辛さを深ぼってしまうので注意しましょう。
▼まとめ
本記事では、「辛い気持ちは、自分のせいではなく自分の選択肢のせいにしよう!」という内容を書きました。
何事も、「変えられることを変える」しかありません。
どうしようもないことは、しゃーないとして受け入れ、今からできる行動を変えていくことが大切なのです。
📘引用文献
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