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夜長月

気が付くと、非常に暑かった夏がいつのまにか影が薄くなり、
その季節の終わりが少しずつ、けれど確実に近づいてくるように感じます。

この文章を書いている数時間後には、もう暦は9月になってしまいます。

なんだか毎年同じようなことをいつも言っている気がしますけど、
時間が経つのは本当にはやいですね。

さて、例年9月には「中秋(ちゅうしゅう)の名月」と呼ばれる月が見えますね。
「中秋」というのは読んで字の如し、「秋の真ん中」という意味です。
ずっと昔に使われていた旧暦(きゅうれき)から意味が来ているそうです。


この「中秋の名月」というのは1年に1回しか見ることができませんが、
実は年によって日時が違うそうですね。

日本の中学校で理科の教育を受けた方は覚えているかもしれませんが、
新月(しんげつ)。つまり月を観ることができない日から満月までの期間というのは月によって変化します。
これは、月が地球の周りを周回する際にキレイな円の形を描いて回るのではなく、楕円を描いて回っているからです。
要するに、どうしても期間がずれてしまうということですね。
自然というものは美しいですが、必ずしも完ペキというわけではない……
ということでしょうか。


そんな1年に1回の美しい月が見える日をねらってなのか、色々な企業が色々な商品を売り出していますね。
たとえば某飲食チェーン店では「月見バーガー」として特別なバーガーを販売していますね。
とても人気な期間限定商品のようで、毎年のように話題になりますね。

全国の該当店舗では、頻繁に行列ができているのを目にします。

そう言ってしまっては、花より団子ならぬ、月よりバーガーになってしまいますが、毎年の楽しみがあるというのは決して悪いことではありません。

ある種のお祭りのようなムードになっていますから、
それはそれで楽しいかもしれませんね。

そんな秋の日に観ることができる満月というものは世界共通です。

もちろん地球の自転や時差などもありますから、日本と同じタイミングというわけにはいきませんが、観ることはできます。

例えば遠い昔、まだアメリカ大陸にネイティブアメリカンと呼ばれる人々が自由に暮らしていた時のこと、
彼らは月の満ち欠けを基準として収穫日などを決めていたようですね。

秋の満月の時には色々と収穫していたのでしょう。

一部のネイティブアメリカンの中ではそういったある種特別な月には名前を付けていたそうです。
グリーン・ムーンやレッド・ムーンといった感じです。

アメリカ先住民族と白人の出会いを描いた某アニメーション映画の歌詞に出てくる「青い月」というのも、ここから来ているらしいですね。
本当はグリーン・ムーンだったらしいのですが、英語の歌詞の中では韻を踏んでいなかったので青に変えられたそうです。

コンテンツを制作するというのも大変ですね。


と、ここまで月に関することを取り留めもなく書いていますが、
それもそのはず……

旧暦の9月にあたるのは「長月」(ながつき)といいますが、
どうやらこれは「夜長月」からきている……という説があるようです。

夜が長くなってきて、その分月がいつもよりもたくさん、
しかも美しく見える……

そんな月なのかもしれません。

もっとも、いくらキレイな月を観ることができるとはいえ、
場所によって当然見えませんし、特に街中では様々な事情で余計に見えにくいこともあると思います。

ですが、ほんの少し手や頭を休めて、空を眺める心の余裕は忘れたくないですね。



※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
ステキな画像をありがとうございます。

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