銀河鉄道の夜に、それぞれの選択をした
鉄道に乗って宇宙空間を楽しく見物する
そういうイメージだった銀河鉄道の夜はまったくもって違った。
美しい銀河の流れの中に死の匂いを感じたのはいつの時点だったか。
それはカムパネルラが母が許してくれるかと言ったときだった。それまで、ただただ美しい世界を想像していた私は急に寒くなった。
幼い子供が母親に怒られる心配ではなく、許してもらえるかと心配になることなどそうない。
「まさかな…」と思いながらも読み進めていくと、銀河を渡っていく美しさの中に確かに死の匂いがしていた。
天上へ