千原徹也さんの「これはデザインではない 「勝てない」僕の人生〈徹〉学」を読んで
とても遅くなってしまったけれど、れもんらいふ代表、千原徹也さんの本「これはデザインではない 「勝てない」僕の人生〈徹〉学」を読みました。
千原さんのことは以前から存じ上げておりました。というか、端的に言うと、ファンでした。なので、今回の出版は、とっっても楽しみにしておりました。
まず、読んだ感想を一言で申し上げますと、、
「ヤバい」です。
千原さんが育った環境、ご家族、デザイナーになるまでの道のり、上京、出会った方々、ブラックな職場で起こったこと、お金が無かった時のこと、れもんらいふを作った時のこと、桑田佳祐さんとの出会いなど、ぜんっっぶが、書いてあります。
「人生の目標がない」とか、「仕事が楽しくない」という方に、ぜひオススメしたい。というか、少なくとも自分の知人のそういう方には、全員に読んでほしいと思う、一冊でした。
読めばきっと、何かしら、自分の人生に変化を起こす、ヒントを得られると思います。
私自身も自分の人生に反映させたい、行動の仕方や考え方が、沢山書かれておりました。題名にある通り「デザインではない」のかもしれませんが、デザイナーとして生きて行こうとしている方はもちろん、仕事人として、社会人として生きている方々(つまり、ほぼ全ての大人)にとって、参考になることが、たっっくさん書かれていると思います。
しかも、とても読みやすく、読むのが早い方であれば、ホントに数時間で読めちゃうのではないでしょうか(私は、本の中に出てくるデザイナーさんや広告を調べながら読んだので、正味6時間くらいかかったと思いますが笑)。
ブラックな環境で働くということ
千原さんは、広告代理店で働いていた時、ご自身でもどう乗り越えていたのかあまり記憶がないほどに、ひどい職場で働かれていたそうです。大変さのあまり、記憶が飛んでしまっているって、相当ですよね…。
どんなふうにひどかったのかは、本を読んでいただければと思いますが、おそらく、自殺する一歩手前くらいまでは、いってた、、ようなことも書かれております。
自分がこの環境におかれたら、間違いなく耐えられないし、すぐ辞めちゃうと思うし、実際そうしてここまで生きてきたのが、私です(ドヤ)。
ただ、この本を読んで、思うのはー。
働く環境として、無理なく負担なく働ける会社が増えてきていることは、とてもいいことだとは思うのですが、反面、少し、今の若い子達が可愛そうだな…とも、思います。
千原さんが、いまも常識はずれなスケジュールで日本全国飛び回って、常に何十本も案件を抱えながらも、喫茶店を作ったり、ラヂオで喋ったり、大学で講師をしたり、本を執筆されたりするエネルギーとキャパは、やはり、駆け出しの頃、虐げられていた時に培われたものではないのでしょうか。
ご自分ではそのように書かれてはいらっしゃらないのですが、やはり、そういうところを通過してきた方は、強いなと、思います。
若い時、頭ごなしに怒られていた時期は、自分の限界もわからず、ただがむしゃらに働くしかなくて、あの時期は、ある意味では大切な経験だったように思います。
自分に自分で、限界を超える仕事をさせられればいいのですが、人間、そんなに強くないですよね。どこかで強制的にやらされて、知らない間に成長していた…という状況が、まだギリギリあった自分の時代は、ある意味では幸運だったのかもしれない…(そんな大した経験してないですがw)。
とは言え、ブラックな環境なんて、日本の社会にもまだまだ沢山残っているとは思いますが笑。今の千原さんを形成している要素の中に、駆け出しの頃の、ひどい環境で働かれていた時代も、大きな一つとして存在している気がしました。
いかに桑田佳祐さんに辿り着いたか
千原さんは、桑田佳祐さんや、安達祐実さん、吉岡里帆さんなど、非常に著名でカッコいい大人たちと、たくさんお仕事されています。
けれど、はじめからそういった方々とお仕事ができたわけではなく、あるきっかけとなるお仕事があり、そこに全力をぶつけ、クライアントに喜んでもらったことをきっかけに、少しずつ指名でお仕事をお願いされるようになったそうです。
私も「いつか、あの人と仕事してみたい」と思う方は、何人もいらっしゃいますが、どこかで、実現することを諦めている自分がいたかもしれません。
ただ、この本を読むと、それも自分次第だなと、感じられるようになります。あの方に届くところにいくためには、どんなプレゼンテーションを準備して、「自分らしい」企画を、どんなふうに作ればいいのか。「自分らしい」を作るためには、何が必要かー。
千原さんがコンペに勝った時のプレゼンで、何を話したのかまで書いてありますので、自分が行きたい場所、出会いたい人、一緒に仕事をしたい人と仕事をするための、準備の仕方みたいなものが、少しイメージとして捉えられるようになる気がします。
本当に、ありがたい本です。
デザイナーにも、会社員にもオススメ
この本は、下記のような方々にオススメです。
会社員(仕事ってなんだろう?自分らしい仕事ってどういうものだろう?とモヤモヤしている方々は特に)
スモールチームのリーダーさん(自分を活かし、仲間を活かすってどうやったらいい?という悩みが少しクリアになるかもしれません)
いつか一緒に仕事をしたい人がいて、実現までの道筋を見い出したいと思っている方
どうやったら自分の名前で仕事ができるようになるだろう?と、思い悩んでいる方(クリエイター関係なく参考になると思います)
かなりざーっとですが、こんな感じで、ぜったいぜっったい、読んでいただきたい本です。
千原徹也さん、この本を書いてくださって、本当に、ありがとうございました。
教えてくださったこと、一生大事にします。
ハナタ