ウォルツァー『正義の領分』&マッキンタイア『美徳なき時代』 学部ゼミ 12/26
ウォルツァー『正義の領分』
ウォルツァーは、ロールズの「分配」「社会的財」を下敷きにして議論を展開
・コミュニタリアンとは言ったことがない
キーワード:分配、複合的平等
ロールズ:社会的財を一律に与える(社会的財は普遍的)
ウォルツァー:社会的財は社会によって意味づけが変わってくるから、一律に与えるだけではダメ!
複合的分配:小さな不平等はたくさんあるが、転換過程を通して不平等が増殖・合計しない社会
現代社会において、「優越的な財はなんだろう?(どんな財が欲しい?)」
・お金に変えられるもの
・スマホ
トロブリアンド諸島における優越的な財
・クラ貿易(お歳暮みたいな感じで貝を送り合う)
・ジェンダーギャップ是正とかインクルーシブ教育とかもまだ、単一的な平等では、、?
いまいち「複合的平等」がわからないなあ…
ウォルツァーの例
子どもたち:「練り消し」がめちゃくちゃ大事
練り消し…いい香りのするもの・色がきれいさ・大きさ
大人が考える、子どもに対する教育のための「社会的財」:鉛筆やノートセット
子どもが考える、子どもに対する教育のための「社会的財」:自分のお気に入りの練り消し
大人が考える、子どもに対する教育のための「社会的財」と、子どもが考える、子どもに対する教育のための「社会的財」は異なる!
=社会的財の意味の違い
練り消し優位権は、足の速さの優位に影響を与えない
足の速さの優位権は「瞬足」みたいな
=複合的平等?
マッキンタイア『美徳なき時代』
「12章 アリストテレスの徳論」と「15章 諸徳、人生の統一性、伝統の概念」
マッキンタイアの嫌いなもの:近代思想(啓蒙主義、自由主義・リベラリズム、個人主義)、近代に生まれた考え方
近代思想:物事をバラバラにしていって、統一性がなくなった
論点:都市国家(ポリス)と現代社会との違いは、アリストテレスの徳論を適用できないほどに決定的であるのか?
・ポリスの規模感だけではなく、ポリスの共同体の絆や幸福を目指すところも含めて考える必要がある
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