子どもおばさん
私は子どもおばさんだ。
外見は気さくで陽気な初老の女性だが、心根は恋愛や性愛を忌避している。
トラウマに囚われていて、それ以上には踏み込めない。
長年私と接している人は、理解してくれている気がする。
悩みや不安を打ち明けても、自分の言える範囲で答えてくれる。
表面の気さくなおばさんより、奥の不安や恐怖で怯えている私を垣間見てくれるのかもしれない。
外見上は生意気で堂々としているように見えるが、心の奥底は傷だらけで不安だ。
誰にも守ってもらったことがない。
だから誰も信じない。
最近私の好きな作家の本を数ページだけ読んで欲しいとせがんだ。
マチズモをテーマにしているので、男性にとっては面白くない内容だ。
大体の人は「面白くない」「はい、分かりました」で終わる。
「感想は?」と聞いても困ってる。
それでも内容を理解してくれる人が稀にいる。
それだけで充分だ。
安心する。