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この、剣山に刺さっているのは何だ!?と思われるかもしれません。

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剣山直しです。生け花の花材の中には太くて固い枝もあり、こんなに太い針でも、曲がってしまいます。

生け花の師匠から
「剣山直しは鋏の箱にでも入れておきなさい」
と言われたので、ずっとそうしていました。剣山が曲がっていたら、ちょこちょこっと直せますし、ゴミが挟まっていたらすぐ取れます。

講師試験の時だったか、晴れて講師になった後の華展だったか、生けている時に家元が回ってきて、
「お、剣山直しが入っているな。感心、感心」
と褒められました。

師匠の言う事は(色々な意味で)聞いておくものだわ、と思いましたし、そういう小さな点も見られているんだ!とも思いました。

違う流派で講師をしていた伯母は、
「50歳すぎてようやく幹部になって、家元に直接見てもらえるようになったわー。いいわね、あなたの流派は小さいから家元に直接見てもらえて」
と、かつて言っていたのですが、規模はそれほど小さくなく、海外支部もあります……。ただ、伯母が属していた流派は、家元に見てもらう前に自分の師匠が厳しくチェックして直してしまうのだそうです。それは、自分の作品とは言い難くなってしまいますね。

講師免状を取って、初の新人作家展に出展した際、生け込んだ後に懇親会がありました。新人講師の中でもどう見ても一番若いと思われた私と一期上の先輩で、ケータリングの配膳の手伝いをしていたところ、
「ここの中華、旨いんだよ~」
と聞こえ、振り返ると家元が座って寛いでいました。

「あなた達に払ってもらう出展料、高いと思うでしょ?でも、ほとんどライティングに消えちゃうんだよね~」
などという裏話も教えてもらえました。野にある花を野にあるように生ける流派なので、自然体なのでしょうか。もちろん常識的な上下関係はありますが、皆さん気さくです。

色々な流派が集まる華展で、師匠の生け込みのお手伝いをしたこともありますが、厳しくてピリピリしている流派もあって怖かったです(その流派の方が全てそうではないのかもしれませんが……)。

自分の師匠の生け込みが終わり、片付けてゴミを捨てたら、同じ流派の他の先生のところへお手伝いに行きます。
「お手伝いに参りました。A先生の生け込みは終わりましたので」
と声をかけると
「もう終わったの!?A先生は相変わらず早生けね!」
だから私も早生けなのか!と思った瞬間でした。

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はなえみ🌺(キャリアコンサルタント+産業カウンセラー+元人事)×ジェモロジスト💎
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