【映画】お涙頂戴でなくても泣いた映画
『奇跡のひと マリーとマルグリット』
フランス版のヘレン・ケラーといった実在の人物の話ながら、生後18か月まで目が見え、耳も聞こえていたヘレン・ケラーに対して、マリー・ウルタンは先天的な三重苦。聴覚障害の少女達が暮らす修道院も、加えて視覚障害もある彼女にとても対応できないと一度は断るのですが、余命いくばくもない修道女のマルグリットの申し出により預かることとなります。
最初は壮絶な闘いでした。野生児というより獰猛な野生動物のようでした。
でも考えてみると、暗闇で音も聞こえない状態で何か知らないものの気配がしたり、触れられたりするのは恐怖ですよね。顔の形を覚えて知っている両親しか安心できなかったのでしょう。
進歩がないことに落ち込むマルグリットでしたが、マリーは一つの手話がわかった時に「言葉」の存在を知り、もの凄いスピードで物を触りながら言葉を覚え、やがては触れることのできない概念も理解していきます。
教育ってこういうことか、と思いました。
悲しいことがありつつも、マリーには希望がありました。人生を変えてくれたマルグリットへ感謝しつつ、希望で目が輝いているマリーの笑顔が眩しかったです。
お涙頂戴という感じの作り方でなくても、館内からはすすり泣きが聞こえ、灯りがついても立てない人がいたほどです。夜だったので闇に紛れて徒歩帰宅しましたが、私も電車に乗るには恥ずかしい顔だったかもしれません。
映画を観た夜はじわじわと余韻を楽しむのが好きですが、色々なシーンを思い出すたびに涙が止まらない映画は久しぶりでした。ただ「泣ける映画」と違うのは、壊れた水道のようにとめどなく涙は溢れるものの、号泣したり嗚咽をこらえきれないわけではないのが不思議でした。
綺麗な涙で洗い流して、明日に向かってキラキラと。
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『はじまりはヒップホップ』
ニュージーランドからのドキュメンタリーです。
66歳から94歳まで、おじいちゃん・おばあちゃんのダンスグループが、ニュージーランドの小さな島からラスベガスの世界選手権を目指してヒップホップに挑戦!?
ワイヘキ島はオークランドからフェリーで35分ののどかな島。
「若い人たちが(老人がヒップホップを踊ることを)受け入れてくれるか」
と心配していたのが、オークランドのデザイア・ダンス・アカデミーを訪れたことで払拭されます。若い彼らは温かく受け入れたばかりではなく刺激を受け、しかもその週末にはそれぞれの祖父母を訪ねたのだとか。
若者のように激しい動きでなくても、カッコイイのです。
一番カッコイイのは「そんなのできない」なんて言わずに挑戦するところ。皆さん前向きでした。
ダンスグループに入れそうなお年頃のマダムたちは、映画を観ながらけらけら笑っていましたが、私はどこかでスイッチが入ってしまって、涙腺崩壊して泣き笑いでした。
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普通に泣いたのが、『レ・ミゼラブル』。
母にせがんで帝国劇場へ連れて行ってもらいましたよ、ええ。
更に遡って、児童向けの『ああ無情』も読んでいましたよ。
ですから、映画化と聞いた時にはもう楽しみで楽しみで。近くで上映していなかったので、地下鉄2駅ぐらいの映画館で観ました。目鼻ぐしょぐしょで、帰りは恥ずかしかったです。
子供の頃はコゼットに共感して、大人になったらファンティーヌかと思っていましたが、私はエポニーヌ派になりました。
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