詩 『ページをめくるように辿る』
足先の冷える朝。
すでに活発に生きる、猫と国道。
反射する白い光にあくびで挨拶をする。
耳に残る音楽はいつの日記だろう。
曲に言葉をのせて
言葉に曲をのせて
巻き戻しと再生を繰り返す。
覚束ない足取りで辿る記憶。
目を閉じて
静かな時間の作業。
思いもよらない道のりには笑いがこぼれる。
顔を流れるシャワーの温かさ。
濡れた髪は、苦手だから早送りしよう。
猫はいくつものルートでおねだり。
風にふくらむカーテンには見向きもせずに。
南東の窓からはもうただの一日。
ひとつずつ
浮き立つ気持ちを足せばいい。
大丈夫。
まずはあの音楽を誘って。
また脈絡のない日記の最初を綴る。