#57 ストレスは役に立つ!「マインドセット介入」
あなたは、
「ストレスは悪いもの」と思ってますか?
「それはそうでしょ」
「ストレスはできれば避けたい」
と普通は思いますよね。
でも、考え方を少し変えるだけで、
ストレスはむしろ役に立つことが
科学的に分かっています。
「体に悪い」と思うと死亡リスクが上がる
「考え方だけで本当に変わるの?」
と思ってしまいますよね。
1998年にアメリカで行われた調査によれば、
強いストレスを感じている人たちのうち
「ストレスは体に悪い」と思ってる人ほど、
そうでない人に比べて
死亡リスクが43%も上がったそう。
つまり、同じくらいの強いストレスを
感じていても、
「体に悪い」と思ってるかどうかが、
死亡リスクまで左右するのです。
考え方を変えるだけでやせる!?
スタンフォード大学助教授の
アリア・クラムの実験で、
こんなものがあります。
ホテルの客室係の女性たちを
2つのグループに分けて、
片方のグループには
「客室係の仕事は立派な運動になり、
健康効果がある」と説明。
もう片方には、
「健康のために運動がどれだけ大事か」
とだけ説明しました。
実際、客室係の仕事は
ウェイトリフティングに匹敵するほどハードで、
1時間に300kcalも消費するのだそう。
4週間後、それぞれのグループの健康状態を
調べたところ、
「客室係の仕事は運動になる」と説明を受けた
グループは、体重も体脂肪も下がっていました。
仕事内容は同じにも関わらず、
「仕事が運動になる」と
考え方が変わっただけで、
実際に効果が出たわけです。
この「考え方を変える」手法を、
「マインドセット介入」と言います。
ホルモンの分泌が変わる
「マインドセット介入」は、
ストレス対策にも効果的なことが
分かっています。
考え方を変えるだけで、
ストレスホルモンの分泌が変わるのです。
ストレスを感じると、
「コルチゾール」と
「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)」
というホルモンが分泌されますが、
この2つのバランスによって、
ストレスの感じ方は変わります。
コルチゾールが多すぎると、
免疫機能が低下したり、
うつ病になりやすくなります。
逆にDHEAが多いと、
病気のリスクが低くなったり、
ストレスを受けても
早く回復できるようになります。
アリア・クラムの別の実験によれば、
強いストレスを受けても、
事前に「ストレスはいい効果がある」と
説明を受けた被験者たちは、
DHEAが多く分泌されたそう。
一方で、
「ストレスは思った以上に体に悪い」と
説明を受けた人たちは、
コルチゾールが多かったそうです。
マインドセット介入のやり方
考え方を変えるだけで、
ストレスの感じ方は変えられます。
ただ、実際は苦しいのに
「ストレスは体にいい!」と無理やり考えても、
さらに苦しくなってしまいますよね。
マインドセット介入を使うときは、
次のステップを踏んで考えていきましょう。
① まずは「ストレスを感じてるな」と
受けとめる。
そして、「体がどんな反応をしてるか」を
考える。
(胃が痛い、頭がカーッとなってる、など)
② ストレス反応が起きたのは、
大切なものが脅かされてるから。
(時間、自由、人間関係、自尊心など)
「大切なものってなんだろう?」と考える。
③「ストレスをエネルギーにして、
大切なものを守るには何ができるだろう?」
と考える。
例えば、上司に怒られたとしたら、
① 怒られてストレスを感じてる。
頭がカーッとなってる。甘いものがほしい。
② 何が脅かされたんだろう?
仕事への自信や自尊心か?
③ 自信や自尊心を守るには、何ができるだろう?
まずはミスの原因を特定して、
くり返さないようにしよう。
という感じで考えていきます。
すると、ストレスを客観視しながら、
「成長のために利用しよう」という方向に
考えられるようになります。
まとめ
ストレスは、考え方を変えるだけで
「避けるもの」→「役立つもの」になります。
マインドセット介入のテクニックを使って、
ストレスを味方にしましょう。
✅ まずは「ストレスを感じてるな」と
受けとめて、
「体がどんな反応をしてるか」を考える。
✅ ストレス反応が起きたのは、
大切なものが脅かされてるから。
「大切なものってなんだろう?」と考える。
✅ 「大切なものを守るには、
何ができるだろう?」と考える。
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この記事は、こちらの本を参考にしました↓