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短編小説ハムちゃん先生

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ハムちゃん先生の音楽心理

ハムちゃん先生の音楽心理

毎朝、早朝の5時になると
図書館の書庫からピアノの音が聞こえてくる

ハムちゃん先生の朝の日課だ

起きたらまずピアノに向かう
そして必ず決まった曲を弾く

曲はJ.S バッハの平均律クラヴィーア曲集
第1巻第1番のプレリュードだ

曲名を知らない人でも
どこかで出会ったことのある
有名なプレリュード 

毎朝同じ曲を弾くことによって
自分の体調を知る
手がかりにしているのだという

まずは演奏を

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ハムスタラボ

ハムスタラボ

人間には計り知れない世界。

それは案外、身近な場所に存在する。

たとえば、京大附属図書館の書庫地下3階。
ここに小さなちいさな研究室がある。

これまでに、誰からも探されることのなかった本。それだけが集められた本棚。

読まれずに眠っている本と本の隙間に、
一匹のハムスターがいて、
ひっそりと人間の研究をしている。

彼はアンビエント国が日本へ送り込んだスパイ動物。

アンビエント国は、ハムス

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