ショートホラー 不吉の音
次々と入るメール対応に振り回されながら、膨大な見積もり、請求書データの作成とチェックに忙殺される午前中。社員の皆がモニターに釘付けになり、キーボードを叩く音だけがオフィスに響く。
とても終わらないと思えた仕事もひと区切りが付き、12時をかなり過ぎてようやく取れた昼休み、明美と映子のふたりは社員食堂にいた。時間に余裕があれば社外でランチというところだが、早く戻らないと、また仕事が溜まってしまう。
「はぁ、繁忙期はいっつもこうだけど、考えてみれば暇なときなんてないよね。うち