もうひとつのアン転 エリカの瞳③
リペア室に集った皆が、エリカの言葉に驚いていた。中でもイヴの驚き様は、これまで誰も見たことのないものだった。
「エリカ、あなたは私がこのネットワークを30年以上も調べて、そして出した結論に、異論を述べるのですか?」
「あら、イヴ、あなただって間違いはあるでしょ?AIの女神だって完全無欠ってことはないはずよ?そうでしょ?」
「それはそうですが、私は間違えたことはありません。これまでずっとです。今回も100%の自信があります。あのデータのパケットが漂う空間をひとつひとつ探索し