ハマガウタキ

猫好き、写真好き、釣りが好きで料理好き 面白いことあればいいなといつも思います

ハマガウタキ

猫好き、写真好き、釣りが好きで料理好き 面白いことあればいいなといつも思います

マガジン

  • ショートショートのところ

    思いついたことを下書きしてるうちに、なんとなくお話としてまとまったりして、夢に見たこともあったりして、書いているうちになんか自分の特徴が分かってきて面白かったりして、考え方がいつも似通っていてなんじゃこりゃって思ったりしたりする気ままなショートショート集です。

  • 連載小説 逢魔の子

    ■あらすじ■ 安座真漆間(あざま・うるま) 並外れた霊力を持つ青年。彼の目的は、小さい頃自分を守って怪異と化した、母の魂を救うこと。 そんな彼と、彼を取り巻く人々と、怪異の物語。

  • 写真のところ

    いろんな風景、作った料理、猫とのくらし。 写真って楽しいですねぇ。

  • 連載小説 ふたりのレシピ

    このマガジンは、レシピ小説の中からアカリとタカシという登場人物のショートを時間を追って並べ、連載小説にしたものです。 ですから、もうお読みいただいたものがほとんどになりますが、加筆や大幅な修正を掛けたものもありますし、新しいお話も追加してあります。 一度お読みいただいた方にも、ぜひふたりの歴史を、もう一度お読みいただきたい。そう思うところです。

  • レシピ小説のところ

    これまで作ってきた料理の写真を使って、ショートショートにしています。 料理によっていろんな味になりますから、お好みでどうぞ。 それぞれのレシピはクックパッドのリンクでどうぞ。 私のページに飛びますので、つくれぽとか、うれしいなぁ。

最近の記事

ショート 窓の外

声が聞こえるわ。 窓の外から。 子供、大人? いろんな人の声。 ざわざわと。 女、男、若者、老人。 犬もいるわね。猫もいる。 鳥の鳴き声、虫の羽音。 そして風音、雨音。 窓の外からは、いろいろな声が、音が聞こえる。 その声に籠もった想い。 その音に秘められた運命。 怒り、嫉妬、欲望、慈しみ、喜び、愛情、共感、友情、太陽、風、雨。 それがみんな、私に伝わる。 それはただの音なのに、毎日、毎日それを感じる。 それは奇跡のよう。 ああ、そうだ。あなたの愛も感じるわ

    • 逢魔の子 真鏡名家の厄災

       4月に入ってすぐのある日、琉球大学の学食に、ふたりの同級生と沖縄そばを啜る漆間の姿があった。ふたりの名前は玉城智と伊波武史。時々こうして一緒に過ごす友人だ。  ふたりと居るときは好きなアニメやら音楽やら、面白かった動画の話題やら、気楽な会話で肩が凝らない。 「ところでさ、漆間のサークルって、どう?」 「どうって、何がどうなのさ」 「いやさ、漆間んとこオカルト研究会だろ?なんか面白い話とか、あるのかな~って。動画にもよくあるじゃん!真実の霊体験!とか、恐怖映像ベスト100!

      • もうひとつのアン転 エリカの瞳 最終話

         東の空が白み始め、夜明けが近いことを告げている。  東京都心へ続くハイウェイを、3台のバイクが疾走していた。先頭を走るのは、大型バイクに似合わない小柄な女性、エリカだ。  3人はそれぞれが近距離用コミュニケーターを起動し、クローズドのリンクを繋いでいる。 「みんな、スオウトシキがマサヤを勘当したのは覚えてる?」 「ああ、青海埠頭だな。まったくバカな息子を持つと父親は苦労する。それは大昔もそうだった」 「もちろん私も覚えてるわ。それで?」 「イヴの情報だと、それでもトシキは

        • もうひとつのアン転 エリカの瞳③

           リペア室に集った皆が、エリカの言葉に驚いていた。中でもイヴの驚き様は、これまで誰も見たことのないものだった。 「エリカ、あなたは私がこのネットワークを30年以上も調べて、そして出した結論に、異論を述べるのですか?」 「あら、イヴ、あなただって間違いはあるでしょ?AIの女神だって完全無欠ってことはないはずよ?そうでしょ?」 「それはそうですが、私は間違えたことはありません。これまでずっとです。今回も100%の自信があります。あのデータのパケットが漂う空間をひとつひとつ探索し

        マガジン

        • ショートショートのところ
          30本
        • 連載小説 逢魔の子
          8本
        • 写真のところ
          24本
        • 連載小説 ふたりのレシピ
          7本
        • レシピ小説のところ
          7本
        • 短編小説のところ
          3本

        記事

          もうひとつのアン転 エリカの瞳②

           私がパパとママに出会ってから、5年が過ぎた。  いつも花に囲まれてるママ。特にスズランが好きだった。ママの腕に抱かれるといい匂いがして、いつも笑いかけてくれる。  パパは、私が片言を話せるようになって、パパって呼んだら、フローリングを転げ回って喜んでくれたわ。  これが愛情なのね。  愛は無償だわ。ベビーに転生する前の私は、なんて傲慢だったんだろ。奪うばかり。与えなかった。  だから私は、大きくなりたいと望んだ。  パパとママと、共に歩きたいと願った。 ・ ・ 「ね

          もうひとつのアン転 エリカの瞳②

          もうひとつのアン転 エリカの瞳①

          「はぁ、もぅ~、また今夜も来てるわ」  深いため息の主は、アオイ。  優しい眼差しと柔らな物腰。誰しもアオイと話せばその優しさに触れることが出来る。そんな女性だ。  だが、どんなことが起ころうとも、自分の意思を貫く強い側面も兼ね備えている。舐めるとコワイ女性、それがアオイ。  彼女は、人間の自我を持つ、アンドロイドだった。 「あの子たち、毎晩のようにこの店に来て、お菓子や飲み物を持って行っちゃう。今の日本はそういうのに寛容だから、悪いことしてるって意識が薄いのよね」

          もうひとつのアン転 エリカの瞳①

          ショートホラー 不吉の音

           次々と入るメール対応に振り回されながら、膨大な見積もり、請求書データの作成とチェックに忙殺される午前中。社員の皆がモニターに釘付けになり、キーボードを叩く音だけがオフィスに響く。  とても終わらないと思えた仕事もひと区切りが付き、12時をかなり過ぎてようやく取れた昼休み、明美と映子のふたりは社員食堂にいた。時間に余裕があれば社外でランチというところだが、早く戻らないと、また仕事が溜まってしまう。 「はぁ、繁忙期はいっつもこうだけど、考えてみれば暇なときなんてないよね。うち

          ショートホラー 不吉の音

          逢魔の子 風樹館の万年筆

           4月、桜が舞い始め、新しい出会いと暮らしが始まる季節。  この時期の沖縄は、肌寒い日もあるが、それでも最低気温は20度を超え、最高気温は30度近くにもなる。日本一早い海開きが行われるのも、この時期だ。  だが、そうは言ってもこの時期に海に入る沖縄県民は少ない。沖縄県民は冷たい海が大嫌いだから。  安座真漆間はそんな沖縄で、大学2年生になっていた。  あの日から、真鏡名神鈴と出会い、共に公園の椅子に座る幽霊を鎮めた日から、もう5ヶ月が過ぎている。この間、漆間は神鈴から様

          逢魔の子 風樹館の万年筆

          ショート 僕たちの冒険++

           空高く晴れ渡った秋の日曜日。ふたりの少年が山に入る道を前に立ちすくんでいた。  コンクリートで舗装されているのは、入り口からほんの10mほど。あとはゴロゴロと石が転がる山道。登りは急だし、左手の藪の先は沢だ。  土石流警戒区域にもなっている沢は、サラサラと軽い水音を立てて小さな集落を抜け、海へと流れる。  山道はそもそも狭いが、両側から草木が茂り、更に狭く見える。右手からは広葉樹の枝が覆い、よく晴れているのに薄暗い。まるで樹木のトンネルだ。少年たちは今、そのトンネルに入ろう

          ショート 僕たちの冒険++

          ショート 隠してるのはどっちかな?

           よく晴れた秋の日、放課後の廊下に出ると、階段を降りようとする君をみつけたから呼び止めた。 「あのさ!これから部活?」 「うん、今度試合があるから、今、大変なんだ」 「そっか、がんばって!」 「ありがと!!じゃね!」  朝から少し寒い雨の日、お昼にはみんな、お弁当をひろげて楽しそう。  となりでお弁当を食べてる君に、つい目が行った。 「わ、それ卵焼き?綺麗な黄色!それに、ふわってしてる?」 「これ?これね、オムレツ!ひとつ食べてみる?」 「いいの?じゃ、これあげる」

          ショート 隠してるのはどっちかな?

          逢魔の子 真鏡名神鈴(まじきな みすず)

           沖縄の10月は、最高気温が30度を下回る日が増え、台風も滅多に来ない季節だ。サシバが渡り、北東の風が爽やかな沖縄の短い秋。観光するにしても何にしても、沖縄で一番いい時期。だが、最低気温は普通に26度以上もあるので、本土の感覚なら真夏だし、海で泳ごうと思えば泳げる。  安座真漆間と八千代言葉、琉球大学1年目の秋である。  沖縄本島のみならず、大隅諸島、奄美諸島から八重山諸島に至る琉球弧に伝わる民間伝承を研究し、その歴史と関係を紐解くという高尚な建前を持つオカルトおたくのサ

          逢魔の子 真鏡名神鈴(まじきな みすず)

          どぅどぅどり

           人類がたくさんの生き物を絶滅させたことを思えば、人類が何者かに絶滅させられたとしても文句は言えないんだけど、その何者かが他ならぬ人類だとしたら、哀れを通り越して滑稽なんだがね、それに気づいたんなら、まだマシな人生か。  どぅどぅどりの絵を見て、そう思ったよ。

          ショート 響子のしょくざい

          「あ~ぁあ、よく寝た。でも、ふぅ、肩が痛いわ。もう歳かしら」  部屋の空気は程よく乾燥してるし、心地よい。もうエアコンがいらない季節なのね。でも、肩が痛いのは少し固いベッドのせいかも。買い換えようかしら。無理かしら。  背を伸ばし、両の腕を伸ばし、固まった背中をほぐすと、大口を開けてあくびする。麻のパジャマがめくれて、お腹が丸出しになったけど、一人暮らしだから全然気にならない。 「でも、ちょっと早く起きちゃったわ。でもいっか、今日は里江と会うから、ちゃんと支度しておこっ

          ショート 響子のしょくざい

          すごい雲 今日の朝、水平線の向こう きれいなんだけど 何十億年前から変わらない これって なんかすごいね

          第5話 アカリのニラ玉

          「もう、10時過ぎちゃったか」  私は目の前のタンブラーを手に取り、ひとくち飲んだ。  口の中にピリリとした刺激を感じ、鼻に向かって芳香が抜ける。そして喉から胃に向かってじんわりと液体が落ち、胃が温まる。  子供たち、しおりと孝太はとっくに寝てしまって、アカリも静かに寝息を立てていた。ひと息付ける時間だ。 「はぁ、アカリの病気、良くなるのかなぁ」  私は天井を見上げて目を瞑った。 「はぁ」  酒をひと口含み、ため息をつく。その繰り返し。  目の前にはタンブラーとお皿。お

          第5話 アカリのニラ玉

          第0話 タカシのカップラーメン

          「タカシ!あそぼ!!」  タカシは私の幼馴染み。今、小学4年生だけど、生まれたときから知ってるのよ。学校の男子はキライ。でも、タカシは面白いからスキ! 「お!アカリ、いいよ!」  アカリは僕の幼馴染み、ず~っと一緒にいるから兄妹みたいだ。同い年だから双子かな? 「あれ?今日は土曜日でしょ?しんちゃんは?」  しんちゃん、しんご君はアカリの弟で、まだ5歳だけど、いつもアカリに付いてくるから、一緒に遊んであげることも多いんだ。 「うん、あのね、昨日の夜、熱が出ちゃって、朝から

          第0話 タカシのカップラーメン