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凄みあるタフガイ親父と幼気な癒やし系。興聖寺で出会った親子二代のかいぱん。

 小川のせせらぎが琴の音に聞えることから「琴坂」と呼ばれる参道。初夏は新緑、秋は紅葉が美しいこの坂道を上った先に、龍宮城みたいな白い漆喰の山門があります。興聖寺は京都の宇治にある曹洞宗のお寺。宇治はお茶の名産地。毎年10月、栄西禅師、明恵上人、千利休を偲び、宇治茶産業の繁栄を願う「宇治茶まつり」では、興聖寺の本堂で「茶壺口切りの儀」が行われます。

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 興聖寺には2匹のかいぱんがいます。まずは山門をくぐり、右手の庫裡へ。ここには引退した先代のかいぱんがいます。

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 煩悩の玉を吐き出すというより、噛み砕かんばかりの大きな白い歯。めくれ上がった上唇にはまだ赤い色が残っていて、妙に生々しい。叩かれて、叩かれて、横腹には穴が空いてしまっているし、下腹の一部は欠損していて、空洞のお腹が容易に覗けてしまう。萬福寺のかいぱんはユーモラスで可愛らしいかいぱんだったけど、このかいぱんは、年老いても凄みのある、永遠のタフガイといった感じです。

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 このかいぱんの仕事を引き継いだ、現役のかいぱんが僧堂前に吊されています。どんな強面のジュニアかと思っていたら、なんとも幼い、子供みたいなかいぱん。小さな歯はまだ乳歯のようだし、まるでボールをくわえて遊んでいるイルカのよう。それなのに、陥没した横腹、欠損した下腹から、かなりハードな仕事をこなしていることが分かる。先代の誇りに泥を塗らない、健気でよく出来た息子です。

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 さて、興聖寺の後は、標高131メートルの仏徳山の中腹にある大吉山展望台へ。宇治上神社の北側に登山口があり、広くて緩やかな上り坂を15分程歩くと、宇治川や平等院鳳凰堂など、宇治市内の景色が一望できます。また、ここは「響け!ユーフォニアム」聖地巡礼の地。お話に出てきた夜景も一度見てみたいと思います。

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