HAL KUZUYA

Photographer.cinematographer 広告、ポートレイトの分野で活躍。写真と文章のショートコラムを各所で連載中

HAL KUZUYA

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最近の記事

心に小さな小部屋を作る

 秋の終わりの花がとても静かに肩を寄せあうように咲いている 川辺を散歩しながら、娘と小さな秋の花を集めて花束にした   小さな花たちは、決して同じではなくて完璧でもない けれどもこんなにも美しい一つの景色になった そしてそれは優しく心に響く   先日祖父が亡くなった、 娘にとっては曾祖父だ 摘んだ花束を手向けた   最後はベットでほぼ寝たきりになりながらも それでも力一杯生き抜いていた 不要な延命は望まず死に際を自分で口にした   何年もベットにいて幸せだったのかわからない

    • ドラマティックな夜

      今日はすこしのいいことと 少しの嫌なことがあった 帰り道、なんとなくひっぱり出して聴いた 何年か前の沢木耕太郎のミッドナイトエクスプレス クリスマスのラジオだから全くの季節はずれだ 彼の本を読み世界に憧れた世代なので 今になっても未だにあの頃の感覚を思い出すようで 時々聴きたくなる 意味のない話だけど話したかったんだよねと それを嬉しそうに語る不思議にちょっと甘い声 程よく懐かしい選曲 独特のテンポのある語り口に 電車の中の人々の姿さえ、ドラマチックに思える ホー

      • 「好きを仕事にする」という人生のプロジェクト

        なんで写真家になったのかと聞かれると、いろんな答え方ができる でも一番の理由は「好きを仕事にする」というプロジェクトを一度やってみよう。という、ちょっとした挑戦というか、それこそ人生のプロジェクト期間なのだと思う。昔からちょっとひねくれたところのある私は「好きなことをを仕事にしないほうがいい」という、いつしか聞いたその言葉に対するちょっとした反逆心だったし、難かしいとか、出来ないとか、しないほうがいいということをやってみて、ダメだったら言い訳できるしな、という下心もあったか

          無理してない?

          ちょっと無理してない? 強い自分 どうにかできる自分 できてるけど 幸せではない そんな自分に気がつくこと 気がついて ただそのことだけでも 私は救われるのかもしれない あなたの私も 救われるのかもしれない

          無理してない?

          写真を撮る

          写真を撮る

          風景写真

          少し薄い空の色が 心にすっと澄み渡る 小学校の時は窓側の席で 遠くに見える雲の見ているような子供だった 大人になってからは、空のみえる部屋を選んで住んでいる いつでも、どんなに小さくても 窓の外に見える空は 当たり前のようにそこにあり それが時にとても安心であり 時にとても寂しくあり それでも毎日がそこに続くということを その青色の中につなげている

          父について

          夏の終わり 78歳の父との突然の別れがあった 15歳から海外で暮らしていたこともあり あまり家に寄り付かなかった青年時代 その後も、都会で仕事をし海外を渡り歩き 顔を合わせることはあっても 早くに独立した娘と父親の関係はそこまで深まることもなかったようにおもう 出産の時も実家には帰らずに過ごしたけれど 娘を産んで初めてのお正月 本当に久しぶりに実家で過ごし 父と母と娘と私と4人で すぐ近所の高台へ初日の出を見に行った その時の父の言葉が耳に残り続けている 「こんな日

          父について

          私は泣きたかったのか

          言葉があるれるように出てきていた時期がある それがピタッと止まってしまって なんだか全てが 空っぽな中にいるように感じたたまま 数年が過ぎた その間に娘は3歳から6歳になり 祖父が亡くなり、祖母が亡くなり、先月父が亡くなった 気持ちのいい5階の明るい部屋から 庭付きの一階へ引越し その庭に合わせたように 保護犬が我が家にやってきた 幼稚園が終わり学校の入学の準備だそうだ 仕事して 焦って 気持ちが折れて また持ち直して 何かにすがりたくて すがるものがなくて 空中を浮

          私は泣きたかったのか

          茶トラ猫のつぶやき

          猫族の先輩方、みなさま大変ご無沙汰しております おばあちゃん家の猫こと「チャト」でございます おばあちゃんちの猫なので、和風でクラッシックな名前がついておりますが 一応スコティッスでございます おばあちゃんがホームに入るときに 欲しいといっていただいたお家に引き取られて養子に出たのですが 去年怪我をして半身不随になり、飼い主さんがそこそこ高齢なこともあり、 要介護猫を飼えなくなり出戻り猫として、戻ってまいりました 前の飼い主様はそれはそれは可愛がってくれたのですが 私の

          茶トラ猫のつぶやき

          娘のつぶやき

          「お母さん。明日からそうするね」 と、かしこまって決意表明 さて、何の決意かって。。。 その辺りは三歳の娘 経緯は大して面白くもないこんな話 最近フルーツが美味しすぎて、ご飯もそこそこにデザートに進みたがる娘 豚肉と野菜のソテー、きんぴらごぼう、味噌汁と米 献立のうち食べたのは味噌汁と米と、ブロッコリーのみ お風呂の後にお腹すいたとリンゴとおにぎりをねだる さすがにわがままが過ぎるので、淡々とお説教。。。 人参と牛蒡食べなかったのに、お腹すいてそういうこと

          娘のつぶやき

          on SUNDAY

          久しぶりに、本当に久しぶりに 外でワイワイと人に会って おしゃべりして、散歩した 個人的になんだか色々な半年 よのなかてきにも、かなり色々な数ヶ月 でも変わらず繋がる人がいて なんとなく良い感じの休日があり 外の空気は暑いけど みんなで歩けば案外大丈夫で 娘はとても楽しそう 友に会うとエネルギーが湧いてくるわ リラックスとエネルギー 相変わらずダメな自分を あははと笑ってくれるから だよねー、と、 自分を笑ってあげられる そんな感じでいいんだと なんだかんだと 昔から知ってる

          WORKS

          仕事ってなんだろう 私にとって仕事は、生きること 生きる喜びであり 生きている証 私の一部で私の全てだ 今日は撮影はない パソコンの前でデータを起こし 過去の記録を整理し 今の気持ちを整理した カメラを持つ瞬間 私は解き放たれて 自分のだけの海へと泳ぎだす また陸絵上がり整える この繰り返し 生きている間 ずっとこうして仕事をしていたい できればカメラを持って

          PORTRAIT

          人を撮ることは その人がそこに生きた証 その人が見ているこの世界 私の目線ではなくて その人が見ている世界を撮りたいと いつも心から願う あなたは何を思って生きていますか? 今日という時と、今という時代を駆け抜けている証

          LANDSCAPE

          風景を撮ることは 私にとって 座禅をするような作業だ 一人静かな時間 空気と気配と光に体も五感も預けて そこに立つ 自然に目に止まる風景を ただ淡々と切り撮る 古いカメラのシャッターは音すらしなくて 足音と風の音 特別な場所なんてなくて 特別な時間があるだけだ

          小さな旅をした

          小さな旅をした 突然なぜか故郷のようになった街へ 少女時代を共に過ごした旧友のような仲間がいる街へ こうして、小さな節目ごとになぜか戻ってきて 少しづつ縁を繋いで、深めて そしてまた、私は私の世界へ戻っていく そのことが今とても大切で、ありがたい 何気ない話、普段の食事、そんなことがとても愛おしい 共有してくれた時間に感謝 出会いに感謝 そして近い将来の再会に、また会いにくるねとう 約束に感謝して 私はまた私の世界へ戻っていく 支えてもらいながら、笑顔で前向いて 自分の

          小さな旅をした