見出し画像

「好きを仕事にする」という人生のプロジェクト


なんで写真家になったのかと聞かれると、いろんな答え方ができる

でも一番の理由は「好きを仕事にする」というプロジェクトを一度やってみよう。という、ちょっとした挑戦というか、それこそ人生のプロジェクト期間なのだと思う。昔からちょっとひねくれたところのある私は「好きなことをを仕事にしないほうがいい」という、いつしか聞いたその言葉に対するちょっとした反逆心だったし、難かしいとか、出来ないとか、しないほうがいいということをやってみて、ダメだったら言い訳できるしな、という下心もあったかもしれない。

高校時代も、大学時代もずっと写真が好きだったのに、写真家になるという選択肢を考えたことがなかった。写真部とかに入るったこともなければ、誰かに見せてこともなくて、ただただ自己満足の世の中だった。今から思うと、写真家という職業すら知らなかったような気がする。

大学を卒業するときに、やりたいことなんていうのもよくわからなくて、しかも超就職氷河期。たまたま知り合いにスカウトされる機会があり、小さな会社に入った。知的障害者の助産施設の立ち上げ事業だった。それはそれで楽しかったし、やりがいもあった。けれど、なんだか自分の人生を生きていないような気がして、数年で退職。退職したからには、どうしよう。そうだ「好きなことを仕事にしてみよう」という感じの成り行きだ。

やってみようと思っても、何をどうしたらいいかわからなくて、専門学校の見学にも行ったみたけれど、すでに働いていた自分には、学校にかけるお金がどれだけ大金かは知っていた。
そんな大金を出して通う意味を見出せず、本屋へ。「写真で食う」というようなタイトルの本を見つけた。どうやらアシスタントというのがあるようである。職人の修行みたいなことらしい。知り合いを頼り色々聞いていた時に、たまたま若手の写真家がアシスタントを探しているので手伝わないか、と聞かれたので、そのままお世話になることにした。
写真家という仕事の具体的な内容も、ジャンルも、住み分けもわからないままだったが、とにかく荷物持ち程度でもいいからということで、即日から現場に連れて行ってもらった。あちらもボランティアで引き受けてくれたのか、どんな成り行きだったのかはわからないけれど、未経験の自分には交通費だけが支給された。荷物持ちから、当時まだフィルムカメラだったので、フィルもの入れ替えや管理、ライトの組み立て方。少しづつ色々覚えた。それと同時に、生意気だけれど、いまいちその写真家の写真や世界が好きじゃないなと思っていた。
どのくらい手伝っただろう。ある時、アダルト雑誌の撮影に連れて行かれた。あまりのショックに、そのまま仕事を辞めた。20代前半のまだ純粋な女性としては、詳しい説明もなしにそんなところに連れて行かれたのは不謹慎だ。というような気持ちだったように記憶しているし、このままこの人の所で働いていてもあまり得るものがないのかも、などと生意気にも、色々疑問に思っていたところだった。兎にも角にも、写真家といっても色々あるんだな、というところまで学んで荷物持ち経験は終了した。
そうそう、同時に別の写真家の手伝いもした。その人はとにかくいい人だったけれど、パッとしない仕事(ごめんなさい)をしていた。技術やコネクションがないと苦労するのかな。そんなことも感じた。

そしてそのあと、またあの「写真で食う」という本によると、「スタジオマン」というものがあって、そこで基本を学びながら有名カメラマンのアシスタントになるといい、と書いてあった。なるほど。ということで、スタジオへの就職活動開始。晴れてちょっと有名なスタジオの、スタジオマンになった。年齢も他の人たちより進んでいたため、最速で「直アシ」という有名カメラマンのアシスタントになるべく励んだ。

さて、ここで「好きを仕事にするプロジェクト」に立ち戻ると、実は私が好きだったのは一人静かに風景や、花を撮影することだった。
ここまで来てわかったのは、世の中、風景や花の写真で「飯を食う」ということができる人の割合はとても少ないということと、そういう仕事はそう簡単に目の前で見ることができないようだということであった。美大出身でもない、コンセプトの詰めの甘いただの写真が好きが、軽い気持ちで応募した公募展にも引っかかるわけもない。それとプラスして、自分だけの静かな写真の世界を、色々加工されたり、言われたりすることに、もしかしたら自分は辛いと感じてしまうかもしれないとも思った。作家ってすごいな。自分にはなれないし、そもそもそんな才能があるとも限らない。
そして、「好きを仕事にする」の好きの設定を「写真」にした。「風景写真」「自分の写真」にするのはちょっと無理がありそうだったからだ。とにかくまず優先するのは、「写真で食う」だ。と決めた。そのあたり少し、年の功であったように思う。

「好きを仕事にするプロジェクト」の第2章スタジオマンになるまで来て、写真家にも、いろいろなジャンルがあるんだなということを知った。その中で好きな写真や好きなフォトグラファー、ブツ撮りや人物撮影、人物でもその当時アカモジと言われるいわゆるギャルっぽいものから、着物やモード、水着、いろいろなものがあった。

・・・・・・・・・・・・

書いていて息切れがして来たので、続きはまた今度


いいなと思ったら応援しよう!