春の経絡ヨガ〜「肝」と「胆」
「肝」と「胆」
肝っ玉かあさん。肝が据わる。肝試し。
胆力。大胆、豪胆。
このような、「肝」と「胆」のつく単語は、どちらも度胸、とか勇気といった心の作用を表す言葉です。
腹の底まで見せ合うような仲を、肝胆相照らす、と言ったりもします。
東洋医学でいう「肝」は血を貯蔵するところ。そして貯蔵だけではなく、分配する・流す(専門用語で「疏泄」と呼びます)働きを持っています。
「胆」には胆汁を分泌し、食べ物の消化を助ける働きがあります。
ただ、その背後にある肝の影響は多大で、そもそも胆汁は、肝の気から生じる、とされています。
ですので、このふたつは切り離すべきではなく、胆の異常=肝の問題、同源だと考えます。
「肝気」と「胆気」
陰ヨガの教科書「インサイト・ヨガ」には、「肝」「胆」の気は識別力に大きく影響する、とあります。「肝気」と「胆気」が整うと、現実的な問題に冷静に対処することができます。
物事を判断し、決定を下すはたらき。たとえ障害や妨害があったとしても、心の平静さをしっかりと取り戻す能力がそこに蓄えられます。
逆に、「肝」「胆」の気が過剰なときは、軽率な判断をしがちです。また、気が不足すると物事に動じやすく、なかなか決断できない、という傾向になります。
車の運転を例にしてみましょう。
気が過剰なときは、「早く目的地に辿り着こう」として信号が黄色になっても「まだいける」とアクセルを踏んだり、前の車が曲がり切らないうちから横をすり抜けていこうとします。
反対に、気が不足すると、前の車につられて右折レーンに並んでしまう、というようなことが起こります。
春の風物詩「気の上昇」
「肝」と「胆」が影響を受けやすい季節は、春です。
草木が芽吹き、万物が成長しようと天に向かって伸びていく時期。
わたしたちの気も、上へ上へと引っ張られやすくなります。
気が上昇すると、どんなことが起こるか、いくつかあげてみますね。
・気持ちがざわざわし、落ち着かない
・怒りっぽくなる
・耳鳴り、頭痛
・目の充血
・脇腹が張る
・不眠がち(夢が多い)
「怒り」の感情は、肝の疏泄が過剰になると沸きやすいです。
また、肝の血が不足すると、目が乾く、爪が割れるなど、肝と目・爪は
密接な関係があります。
春におさえたい経絡・ツボ
春に起こる不調に対して、経絡に働きかけるヨガ・ツボの指圧・食事・漢方などの対処法が考えられます。
食事に関しては、薬膳や食養生に関する記事がたくさんあるのでここでは省きますが、ざっくり言うと香りの強いもの、苦味や酸味があるものがおすすめです。
陰陽五行で春の行は「木」。それに対応する「肝」と「胆」の経絡は、脚の内側と外側にあります。
ちょうどアディダスのジャージを履くと、3本線の真ん中あたりを通るのが胆経です。肝経はそれの裏側、脚の内側の真ん中を通っています。
ヨガのポーズでそこを整えようと思ったら、脚を横に開閉する、あるいは体幹を側屈する動きになります。
【代表的なポーズ】
・門のポーズ(パリガーサナ)
・サイドアングル(ウッティタパールシュヴァコナーサナ)
・牛の顔のポーズ(ゴムカーサナ)
・極楽鳥のポーズ(スヴァルガドヴィジャーサナ)
経絡ヨガのレッスンでは、ターゲットとなる経絡を整えるシークエンスのほか、経絡上の重要なツボ押しもお伝えしています。
近日中にyoutubeにもレッスン動画を公開する予定です。
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