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安土桃山時代のオシャレ番長・小堀遠州の陣羽織は、いま見ても洗練されていました
小堀遠州といえば、なにを思い浮かべるでしょうか。わたしは20代の数年間を、植木屋として過ごしていました。そこで、ほぼ毎日、木に登って剪定していたこともあり、小堀遠州を作庭家として認識していました。その作庭と関係しますが、もちろん茶道の大家でもあるわけで……言ってみれば、本阿弥光悦や狩野なんちゃらなどとともに、江戸時代初期の美の基準を体現した人の1人だったわけです。
そんな小堀遠州……というか小堀政一さんの甲冑や陣羽織などの所用品と言われてきたものが伝来しています。
今季は、その中から陣羽織2点が展示されています。わたしが普段、このコーナーに注目することは少ないのですが、先日巡っていた時に「ずいぶん派手な色の陣羽織だな」と、解説パネルを読むと……「小堀遠州所用と伝わります」……と書かれていたので、改めてじっくりと観てみることにしました。
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右《黒羅紗無地陣羽織 唐花七莹絞付》
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左《黒羅紗無地陣羽織 唐花七莹絞付》
↑ 赤いのも黒いのも小堀遠州所用と伝わったものですが、いずれもシルエットが「おっしゃれだなぁ〜」と思ってしまいました。それぞれ解説でも指摘されていましたが、赤い方のは、南蛮の影響を受けていると思われる「裾広がりのデザイン」がかっこいいですし、「袖口の形」がまた『刀剣乱舞』のキャラが着ていそうな雰囲気じゃないですか。
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《猩々緋羅紗無地陣羽織 丸卍紋付》読み方がすごく難しいのですが(しょうじょう・ひらしゃ・むじ・じんばおり)と読むそうです。
小堀遠州(1579~1647)所用と伝わります。鮮やかな赤に染められた舶来製の毛織物に切付(アップリケ)で替え紋と思われる家紋をつけていますが、今はその上をを描いた木綿布で覆っています。裾広がりのデザインは、南蛮文化の影響をうかがわせます。
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この裾のカットがまた絶妙なんじゃないかなと……オシャレとは縁遠いわたしが指摘するのもどうかと思いますが……なんかオシャレ。
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黒い方は《黒羅紗無地陣羽織 唐花七莹絞付》です。この「唐花七莹絞」という家紋からして、なんかカッコいいんですけど……小堀家って、小堀遠州政一以前から、この家紋を使っていたんでしょうか?
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ヨーロッパから輸入された黒羅紗地に白羅で七宝紋を切り嵌めしていますが、今はその上から白木綿に染めた紋で覆ってあります。衿は家紋と同じ模様の緞子(どんす)です。袖口の形が珍しく、茶人の数奇ぶりが窺えます。
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本当は、全体のシルエットをもっときれいに撮りたいんですけど……この部屋って、トーハクで最も展示環境が劣悪なんですよね。去年よりは数段改善されたのですが、陣羽織が展示されているケースは、(おそらく)従前と同じもので思いっきり反射して映り込んでしまい……映り込みが比較的に少ない角度で撮っているつもりなのですが、こんな感じです。
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いやぁ〜、さすが当代きってのオシャレ番長が着ていた……と伝わっているだけあって……とてもオシャレですね。ちなみにトーハクには、同じく小堀遠州が使っていたと伝わる、具足……鎧兜も所蔵されていて、そちらも「さすがだなぁ」と思わせてくれるものです。
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ということで、今回のnoteは以上です。
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