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窓から木立が見える。 木の葉が朝日で輝いている。 風が吹くと、葉がゆらゆら揺れる。 風が吹…
椅子に座り、風の音を聞く。 左右に揺れる洗濯物。 青い山はいつもと同じ。 ストーブの火が左…
池に薄い氷が張る。 その氷の上で片方の足を滑らす。 ツーと、足が氷の上に線を描く。 少しず…
深夜の遅い時間。 裏庭にある大きな木の陰に深い穴を掘り、 その穴に彼を埋めていく。 真っ白…
其の一 どんなに悲しくても どんなに辛くても どんなに寂しくても どんなに助けが欲しくても …
夕暮にカラスが鳴きながら ねぐらに帰る。 羽の中で丸まり眠りを待つ。 夜に独り本を読んでい…
顔を上げると、雨音が聞えた。 窓を開けて、外を眺めた。 吐く息の白さ。 肌に触れる、空気の冷たさ。 寒さで鼓動が速くなる。 雨音が地面を叩く音。 刻むリズムが心を揺らす。 憂いなどは、何処にもない。 空だって、泣く日がある。 僕だって、泣いていい。
スプーンから こぼれ落ちる雫を見ていた 一滴一滴落としては 涙のような雫を見ていた 雨の日…
目の中が眩しく光る 目の中に輪光が拡がる 光で前が見えなくなり やがて目は光を放つ 光しか…
朝起きる いつもの血圧計を取り出し 血圧を測る ブーンと唸る 腕を締め付け プシューと空気が…
僕は何を不安に思うのか 独りでいる事か 僕は何に怯えるのか 誰も愛せない事か 独り杖をつく…
炊飯器をセットして 炊き上がるのを待つ 紅茶のティパックを ポットに入れて お湯を注ぐ テ…
暖かな日差し 北風は止んでいた 雲一つない空 冬の太陽が暖かく包む 川岸の土手を歩く 川面の…
木に青々と繁る葉は 大きな木の緑に隠されて 一枚一枚は見分けがつかない 皆とざわめき 皆と歌い それがすべてと信じていた やがて葉の散る季節が訪れ 木から別れを告げたとき 葉は本当の自分を見つける 風に吹かれて 飛ばされて 地面を転がり 穴があき 少しずつ枯れてゆきながら 目に映る世界は 儚いほどに美しく 厳しいほどにやさしかった