白水

「白水」の言葉は陶淵明の詩から拝借しました。白水は米の磨ぎ汁のことで昔はそれを煮沸して…

白水

「白水」の言葉は陶淵明の詩から拝借しました。白水は米の磨ぎ汁のことで昔はそれを煮沸して洗髪に用いたとのことです。洗い流されて跡すら残らない白水。少しでもあなたの心に触れるものがあれば幸いです。

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最近の記事

俳句 秋の煌めき

前書き 街の体育館の前を通る 剣道の気合の声 ビーとなる笛 黒袴を着た学生たち 空は曇っていたけれど 秋が煌めいていた 俳句 街響く 気合や届け 秋の雲 秋の空 雲の彼方に 黒袴

    • 詩 ギンナン

      イチョウ並木を歩けば たくさんのギンナンが 道に落ちている 雨の日であればさらに たくさんのギンナンが落ちて 傘をさして拾う姿を見かけた 今、たくさんのギンナンが 道行く人に踏まれている 割れた殻が道端に積もる 拾う人がいなくなったのか もういらなくなったのか 踏まれて割れたギンナンの 割れた殻の山を見る ひとつひとつの殻の中 拾われたのは秋の心 拾われぬのも秋の心 雨に打たれイチョウから 落ちた心を救ってくれる 救われる日を待ち続けている

      • 詩 洗濯日和

        朝 カーテンを開けると 空は青く 晴れていた 窓を開けると冷たい空気 ベランダには冷たい風 風に揺れて 風に揺れて 横に斜めに 真っすぐに 同じ場所に 留まらず こんなに忙しく動いても この場所からは動けない お日様だけが僕を見て 僕のことを照らしてる ポカポカ温まる日差しで 気持ちよく乾くだろう

        • 俳句 しぐれ

          前書き 雲ひとつない青い空に 晴れ切らない心が映る 袖を濡らすしぐれに 心がしみる 夜の街灯りを眺めてる 俳句 青空に 心映るや しぐれかな 秋更けて 星の瞬き 夜は濃く

        俳句 秋の煌めき

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        記事

          詩 枇榔樹

          *はじめに 田中一村の「枇榔樹の森」を見て 感じたことを詩にしました。 * 詩 南国の深い森の中 枇榔の樹が空を覆う 薄暗い森を枇榔の葉が スコールのように降りそそぐ 真っ青な蝶が白い花にとまり 傘をさしたように そこだけ光が射している 止むことのない雨の中でも 心にさす傘はいつもあるのだと 蝶の青さが教えてくれた 遠い南国にある枇榔の森 音のないその森の中で 真っすぐ伸びる枇榔の葉に 自らを重ねて心が安らぐのは 僕だけではないはずだ

          詩 枇榔樹

          エッセイ 田中一村展

          *はじめに 画の展覧会に行ってきたのですが、 見出し画像以外、写真はないです。 文章ばかりですいません。 この感動が伝わればよいですが。 * 東京都美術館で「田中一村展」が開催中だ。 僕も行ってみた。 上野駅の公園口から一直線。正面にある 上野動物園の近くを右に曲がると東京都 美術館だ。正直、僕は驚いた。 かなり久しぶりに上野に来たのだが、 こんなにオシャレな街になっていたんだ。 途中、国立西洋美術館で「モネ睡蓮のとき 」の展覧会も行なわれていて人が溢れてた。 少しだけ、そ

          エッセイ 田中一村展

          詩 暮れる秋

          夕暮の秋の並木道を 落ちた銀杏を気にしながら歩く 目の前には手をつなぐ若い男女 白い手と手のつながりが 道に落ちた銀杏に映えていた 昼間はまだ少し暖かくても 日が暮れるにしたがい肌寒くなる 手にクリームを塗りすり合わせ 少しだけ温もりを思い出す 洗濯物をとり込みながら 暮れてゆく空を見上げる 一枚一枚をたたみながら たたんだ服を見つめている 夕餉の支度をしていれば 包丁の音がここち良いけれど 食事の時間はすぐに過ぎる 椅子に座りお茶を飲み本を読む 外から虫の声がして

          詩 暮れる秋

          詩 落ちた柿

          晴れた空が気持ちの良い日 空気は少しひんやりと 陽ざしは母の手のようにやわらかく やさしくからだを抱いている 道に落ちてる柿の実は 朱く艶やかに色づき やっと熟したというのに その喜びを分かち合う前に 道に落ちて割れていた 命の儚さを思うけれど 目の前の風景を切り取って 画にすることができるなら 画の中の落ちた柿の実は 画家の心そのものだろう やがて全てが枯れ果てる 灰色の季節が訪れる 木々は枯れて押し黙り 大地は固く冷たく閉じる 今はただひたすらに 生への感謝しかない

          詩 落ちた柿

          詩 時計がなくなった日

          時計がなくなった。 時を刻むために必要な鳥がいなくなった。 昨日、突然に。 頭の中にあった鳥が逃げてしまった。 さっきまで、鮮明に見えていたのに。 頭の中で飼っていた鳥が逃げだした。 翠と赤のきれいな鳥だった。 鳥は僕にこういった。 「君の時計はわたしが動かしている。 もう必要ないから、わたしは行かなければならない。」 鳥が飛んで行くのを眺めながら、 僕の時間がなくなったことを知った。 僕は太陽や風や木や鳥たちのように、 今しか時がなかった。 一瞬一瞬に命が燃えている

          詩 時計がなくなった日

          俳句 秋の終わりに

          俳句 川映る 流れる雲や ゆらぐ今 女郎蜘蛛 巣の真ん中で 冬を待つ 木守柿 行き先告げず 残す蔕 仰ぐ葉や 柳そよげば 緑ふる 詩 路地裏の風景 路地を一人歩いてる 塀の向こうはトタンの工場 休日で誰もいない 道の真ん中にうずくまる猫 ニャーニャーとないている 向かいの家の前を通る 孫が手を引くおじいさん 庭先に連れていかれる 空は雲に覆われてても 雨はまだ降りそうにない 白い小さな犬を連れた 白髪の婦人を追い越す 曲がり角を曲がると 出口の見えない塀が続い

          俳句 秋の終わりに

          短編小説 ボタン

          *はじめに この物語はフィクションです。 * 世界はすでに満員だった。この星の定員を オーバーしていた。水や食料、エネルギー など、あらゆる資源が不足し、争奪戦が 激しさを増し、あちこちで戦争がおきて いた。 世界のリーダーたちはこの事態を深刻に 受け止め、緊急の国際会議が何日も何日も 続けられた。その結果、緊急措置として、 世界はひとつの政府となった。 人類が始まって以来、初めての事である。 この世界政府によって人々は平等に職業が 与えられ、平等に食事が分け与えられ、 時

          短編小説 ボタン

          詩 夜の静けさ

          夜の帳がおりて 寝静まった夜遅く キィー、キィーという鳥の鳴き声に 目が覚めた 遠くから聞こえる声は 物悲しく胸を打つ 今同じ時を過ごすことで その声は僕に届いた 届けた声を聞く人がいる 届いていると信じている 物悲しい鳴き声も 少しは意味があるだろう 夜の静けさの中 耳を澄ましながら 胸に温もりを感じている

          詩 夜の静けさ

          詩 秋のベンチで

          公園のベンチで一人 冷えた景色を眺める 木々は黄から紅へと 落ち葉は土に染まる 目の前の子ども達が 楽しそうに声を上げ 青空に浮かぶ薄雲は 地上の僕を見下ろす このちっぽけな存在 語ることのない葉 緑から紅へと色づき 地上へと落ちる 安らぎを見出して 手放さぬままで そっと 落ちてゆければ それでいい

          詩 秋のベンチで

          詩 静寂とざわめき

          玄関に並んだ靴 エレベーターの押しボタン 耳にはめたイヤホン 流れる曲が音を消す 電車で探す空いた席 読みかけの本の厚み 乗り継ぎホームの一番前 空の色の青さが気になる 電車に乗れば交差する視線 慌てて本に目を落とす スマホが気になり本を閉じる 何をしても落ち着かない いつもと変わりはないけれど 同じ心などひとつもない 目の前に抱えた現実と これから訪れるであろう未来と その先に待つ何か 落ち着かない気持ちが ふわふわと心を揺さぶる

          詩 静寂とざわめき

          詩 冷えた風の囁き

          一日一日を刻みながら 秋の深まりを感じる 秋に心が浮き立つのは この陽気のせいだろう 日差しがくれる 優しさは 背中を温めてくれるけど 心の奥には届かない やるせない想いだけが いつまでも心に残る 夜の空気に秋を感じ 人の装いに 冬の近さを思う 窓を開ければ 冷えた空気と共に リンリンと響く 虫の声が聞こえる この季節に終わりが 来ないことを 明々と輝く月に祈る

          詩 冷えた風の囁き

          短編小説 月夜の朱いかんざし

          *はじめに この物語は全てフィクションです。 * 江戸の昔。河の船運が盛んな頃。 今よりも河底が深く帆掛け船が 河を運行していた。 河岸(かし)と呼ばれる物資運送の中継地点が 各地に設けられ、船問屋を中心に街が 造られていた。 船問屋の当主は河岸の辺りにいくつもの 建物を築き、この辺りを取り仕切る 実力者だ。 河のこちら側とあちら側を結ぶための 木造の橋も造られ、人びとが行き来 していた。 当主の家は広く、いくつもの部屋を持ち、 たくさんの使用人を抱えていた。 使用

          短編小説 月夜の朱いかんざし