詩 夜の訪問者
深夜の遅い時間。
裏庭にある大きな木の陰に深い穴を掘り、
その穴に彼を埋めていく。
真っ白な顔をして、
目を見開いた顔をした彼を、
裏庭の木の陰に埋める。
それを思い出すたびに、
ズキズキと胸が痛む。
新しく生まれ変わったはずだった。
これまでの自分ではなくなったはずだった。
けれども夜中になると、
裏庭から彼が起き上がり、
部屋の窓をたたく。
耳を塞ぎ、
心臓が奪われないように、
うつ伏せになる。
心臓は痛いくらいに鼓動が早くなり、
その音は彼に助けを求めているようだ。
朝が来るのをひたすら待つ。
窓を叩く音はどんどんと強くなる。
心臓の鼓動の速さに耐えられない。
意識が薄れていく中で、
窓が開く音が聞こえて、
心臓が奪われたのを感じる。
裏庭の大きな木の陰に埋まっているのは、
僕自身だ。