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味噌の効果 -発酵の基本知識-㉟
味噌の優れた効果は多岐にわたります。その健康効果は近年国内外からも注目され、和食ブームにより、輸出量は増加傾向にあります。
コレステロール値の減少や、生活習慣病、ガンなどの抑制効果など数々の健康効果が医学の面でも証明され、得にガンに対しての効果が注目されています。
ガンの予防効果
味噌の食用的効果の実験結果によると、味噌汁を一日三杯摂取する人と、全く摂取しない人では、ガンの発祥率が摂取する人の方が低いという結果が発表されています。
ガンの種類も様々なガンに対しての効果があり、わかっているだけでも、乳がん、肺腺がん、胃がん、肝がん、早期前立腺がん、大腸がんのリスクを下げるということが、広島大学名誉教授・渡邊敦光博士により証明されています。
放射線障害の軽減
渡邊博士の研究によると、味噌は放射線障害への改善結果がマウス実験により証明されています。まだマウスでの研究段階ではありますが、チェルノブイリの原発事故の後に日本への味噌の注文が殺到としたという事実があります。
また、第二次世界大戦時に長崎へ原爆が投下された際に、爆心地からわずか1.4kmの位置にある病院で被爆した医師、「秋月辰一郎医師」は、地下の備蓄庫にあった味噌の残りを食料として利用、焼けた畑に残った丸焦げになったカボチャの焦げを除き味噌汁にし、患者と従業員で食したところ、被爆者は出なかったという有名な逸話があります。
秋月医師は2005年に89歳でこの世を去るまで様々な著書を残し、その当時の記録を知ることができます。
これに倣い、2011年福島での地震後の原発事故後も盛んに味噌作りが行われ、味噌教室や手前味噌の講習会なども各地で行われ、手前味噌が沢山作られました。
福島以外で手前味噌が普及したのはこのことがきっかけとみてもよいでしょう。
ピロリ菌の抑制
味噌には胃の中のピロリ菌の抑制効果があることがわかっています。
日本人はピロリ菌の保有率が高く、胃がんの原因とされ、特定保健食品など日常に食べる食品にも応用され、対策商品が多数開発、販売されています。
このピロリ菌への効果は、メラノイジンの働きによるものです。
血中コレステロール値の減少
味噌に含まれるメラノイジン、ビタミンE、リノール酸、食物繊維、植物性ステロール、レシチン、タンパク質、サポニンの効果によるものです。
殺菌効果
味噌にはO-157菌、病原性大腸菌、病原ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌などの食中毒菌が繁殖することはできません。
このことから、肉や魚を味噌漬けにすることで、保存性が高まります。また、酵素やアミノ酸の効果で柔らかくし、風味を豊かにする調理効果もあります。
老化防止、抗酸化作用
メラノイジンの抗酸化作用、ビタミン、ミネラル、サポニン、レシチン、リノール酸、ビタミンEなど細胞の酸化を防ぐ効果があります。
また、コウジ酸がメラニンの合成を制御する役目があり、女性に嬉しい美肌効果があります。
塩分が気になる人への対策
味噌の塩分は一日3杯程度の食事の味噌汁量であれば、問題ないとされていますが、それでも気になる方は味噌汁の具に一工夫することで、より塩分対策になります。
塩分が気になる方・・・具にカリウムが豊富な食材を選ぶ。
ほうれん草、わかめ、とろろ昆布、あおさ、切干大根、納豆、サトイモ、あしたば、モロヘイヤなど。味噌にもカリウムは含まれますが、カリウムを豊富に含む食材を用いることで、よりナトリウム排出が促されます。