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第9回 6泊7日ファスティング体験記──4泊目からは回復食の日

 ついに4泊目の朝を迎え、この日からは最終日の7泊目まで回復食を食べる日々が始まります。前日同様に熟睡できずに目が覚めると、この時点においても空腹感は特にありませんでした。むしろ回復食を摂取することで、空腹感が出てしまうのではないかと思えたほどでした。

 前日に体に残った便が全て排出されたからなのか、本日はそのためにお手洗いに行く必要はありませんでした。例によって入浴施設の体重計に乗るとこの日も体重が減少していました。本日から回復食が始まることで体重の減少はなくなるかもしれないと入浴中に思いながらも、風呂上がりにはリモートワークが私を待っていました。

 回復食は1日2回、朝と夕方の決まった時間に施設の食堂で準備されていました。普段の生活では不規則な時間に食事を摂取していたので、規則的な時間に食事を摂取するのは給食を食べていた頃にまで遡るかもしれません。リモートワークを中断し、朝の決まった時間に食堂へ行くと係のお兄さんが私を優しく出迎えてくださり、4日振りの食事を私に配膳してくださいました。 

 回復食1回目はお粥、梅干し、スープの3点だけでした。食事の内容は下記の記事で述べた初日のオリエンテーションで知っていたため、食事の質素さに驚きはありませんでした。まずは4日振りに塩味のある具のないスープを口にし、このような機会でないと口にしないほどに久しぶりのお粥を口にしました。

 ……正直なところ、4日振りの食事は物足りなさを感じました。普段から美味しいものを追い求めすぎていたからなのか、ファスティング後の食事は思いのほか感動がなかったのです。一説ではファスティング明けの食事は薄味でも美味しく感じるものらしいのですが、私は他の人の席にあった塩を拝借してお粥とスープに振りかけたいほどでした。残念ながら私の席には塩がなかったので諦めて梅干しで塩味を求めると、ファスティング前後は関係なく梅干しは梅干しでした。

 食事の物足りなさを感じつつ食堂を後にして自室に戻ると、夕方の回復食までは引き続きリモートワークが待っていました。案の定、朝食が物足りなかったので夕食が待ち遠しかった記憶があります。空腹感はそこまで感じなかったはずなのですが、美味しいものを食べたいという感情は芽生えていたようでした。

 リモートワークを終えて食堂に向かうと、2回目の回復食にはお粥、ふりかけ、スープが配膳されました。朝食に比べると夕食の方が少しだけカロリーが高い食事になっていたものの、食事の感想は朝食と同様に残念ながら感動を覚えることはありませんでした。食事に感動を覚えなかった原因は恐らく、3日程度のファスティングでは私のような肥満には日数が不足していたことに加えて、それ以上に我流のファスティングを過去に体験したからかもしれません。我流のファスティング体験時においては回復食の過程は省き、ファスティング後に好きなものを食べたので、その時はたしかに食事の感動があった記憶があります。今回は前回の感動を超えなかったので、4日振りの回復食は物足りなく感じたのだと思います(回復食とは本来このようなものなのです)。

 しかし食事の量が少ないからこそ、朝食および夕食は普段よりもゆっくりと食べるように意識しました。このように普段からゆっくりと食べていたら、そもそもとして初代魔人ブウのような素敵な肉体美にはなっていなかったかもしれません。また、回復食の回数を重ねるごとに流動食ではなくしっかりと具材の入った食事にありつけることを体感したので、食堂を後にしながら次回の回復食が楽しみになっていたのでした。(続く)

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