アリガタヤアリガタヤ/連載エッセイ vol.20
※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.22(2004年6月)」掲載(原文ママ)。
「○○サンに出逢えて本当に良かった。」
施術が終わって帰り掛けの患者サンから真顔で言われた。
こうして文字にしてみると、改めてスゴイ台詞である。
プライベートでこんな言葉を掛けられた経験は皆無に等しい。
(言い切れるのもどうかとは思うが…。)
“カイロプラクティック”ではなく、敢えて“○○サン”と言って下さっている所が、益々以って嬉しくなる。
患者さんに対して、単なるカイロプラクターとしてだけではなく、一人の人間として関われている“証”と捉えてしまうのは、手前味噌な発想だろうか?
ご存知の通り、我々の分野は支払いに健康保険が適用されない。
当然の事ながら、患者サンの負担は大きくなる。
加えて我々にアレコレ指導されながら、予防維持にも努めなければならない。
常に希望通り予約が取れるわけでもない。
もし私が患者の立場だったらタイヘンである。
だから患者サンに御礼を言われる度、「偉いのは信じて通って下さった患者サン自身なんですよ」と返すのは、社交辞令でもなんでもなく、我々の本心なのだ。
そして、そんなアリガタイ患者サン達に支えられながら、私もこの夏、大きな一歩(と言うか正確には『二歩』)を踏み出す事になりそうだ。
1つ目は、昨年から準備してきた新しい院のグランドオープン。
既に患者サンを受け入れて施術はしてきたのだが、諸手続きに手間取ってしまい、正式開院がここまで伸びてしまった。
ナント患者サンを1年近く「看板の無い怪しげな場所」に通わせてしまったのだ。
(ホント通い続けた患者サンは偉いなぁ…。)
一説によると、「いつでも夜逃げできるように、看板をわざと出さないらしい」という噂が患者サンの間で実しやかに流れたとか。
今まで心細い思いをさせてしまって本当に申し訳ない。
これからは大手を振って院に顔を出して頂きたい。
(そして声を大にして周りに振れ回って頂きたい。)
2つ目は、1期生としてマードック大の学位取得プログラムの修了。
但しコチラは予定通りに単位を取得できたらの話であるが…。
なんと言ってもプログラム自体が本邦初の試みであった為、参加している当人にも見通しが持てず、「15分間走」並みのペース配分の難しさであったが、何とかゴールが見えてきた。
もう一頑張りである。
新しい事に絶えず挑戦する今の私の姿を、以前の私をよく知る人が見たら、その変わり様に驚くかもしれない。
(特に元カノなんぞは…。)
そう、本来「保守的」な私の背中を次の領域へ押し進めてくれているのは、間違いなく患者サン達なのだ。
おかげで枠に囚われない人生が歩めている気がする。
そんな感謝の気持ちを添えて、最後に一言。
「患者サンに出逢えて本当に良かった!!」
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