
夜更けのスリーアウツ/連載エッセイ vol.79
※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.81(2014年・第2号)」掲載(原文ママ)。
通信表面にもあるように、今号は、記事編成の都合上、ふれる事の出来ていなかった『2013年11月の韓国訪問ネタ』をご披露しようと思う。
…とは言っても、既に5ヶ月ほど経過しているので、肩肘張らない、お気楽な内容なぞを…。
さて、『修士課程の学生時代』を含めて私自身、8回目となった今回の韓国訪問の目的は、大きく分けて『2つ』。
1つは、ハンソ大学での『カイロプラクティック学部・公衆衛生博士課程』の3回目の『集中講義(論文作成準備&修士課程学生への指導など)』と、もう1つは同じくハンソ大学で開催された『カイロプラクティック国際会議』への参加。
その為、都合約1週間の滞在となった。
現地滞在に用いるのは、いつもの某ホテル。
大学から車で15分程離れた場所に『温泉街』が広がっており、割と豪勢な『リゾートホテル』や『隠れ宿』が点在する中、その某ホテルは、大学側が『学生側にあまり負担を掛けないように…』という観点からチョイスしてくれた、『趣のある佇まいなベテランホテル』…。
まぁ、エレベーターも完備されているので、通常利用する分には困らない宿舎であり、適度な大きさの『懇親会部屋』がある事も、大きな選考ポイントの1つであったのだろう。
(彼の地の『飲みニケーション文化』は凄まじいもので…苦笑)
そして今回、その某ホテルで遭遇した『オカルトチックな出来事』に端を発するネタをご披露しようと思う…。
しかしながら私自身、その方面は『否定できない限りあるのかもしれないなぁ…』程度の認識の人間なので、それ位の軽い心構えで読み進めて頂きたい。
その某ホテルの客室階構造は、『Lの字』に通路があり、その通路沿いの両側に各部屋、頂点の曲り角がエレベーターホテルになっている造り。
ある日の夜。
集中講義を終えて宿舎へ戻り、部屋で身支度を整えた後、私は部屋を出て懇親会場へ向かおうとしていた。
廊下へ出て、ドアを閉じ、鍵を掛けようとした時(オートロック!?なにソレ??笑)、ふと視界の端でエレベーターホールを伺うと、もう1本の通路からエレベーター方向へ歩く、中年男性の姿が見えた。
私は、『エレベーターを先に使われて置いて行かれないようにしなくちゃ!!』と、急いで鍵を回し、エレベーターホールへ小走りで向かった…。
しかし…エレベーター前には誰もおらず、またエレベーターが動いている気配もない…。
その脇には『非常階段』もあるので、中年男性はそれで階下へ向かったのかと思い、私はそれ以上深く考える事なく、エレベーターのボタンを押し、懇親会場へ向かった。
後日。
その日の懇親会が終わった後、数名の日本人学生が客室に集まり、2次会的に余った飲料を『処理』しながら雑談していた時の事。
『ここのホテルって……「出る」…よね…!?』
誰かが不意に口火を切った。
しかし私はオカルトチックな事象には上記のようなスタンスなので、積極的に食いつくでもなく、黙って耳を傾けていた。
すると、ある1人が突然…
『エレベーター前には…
オッサン徘徊してますよね!?』。
ア…アウトゥゥゥ~!!
『エッ!?
やっぱソレってマジ??
実は俺も
中年の男の「ヒト」を見たんだケド…!?』
思わず食いついてしまった私に、彼は一言…
『いますよね……
あと…
非常階段には「子どもたち」もいて
上からよく覗き込んでますよ!!』
するとソチラの方面に敏感なもう1人が…
『大丈夫……悪い輩ではないから…
コチラから「悪さ」をしない限りは…
無害だよ…』
ア…ア…アウトゥゥゥ~~×2!!!!
こ…『子ども「たち」』ってナニさ??
『無害な輩』ってナニさ??
ってか、皆なんでそんなに平気なの??
すると物好きな1人が徐にデジカメを取り出し、部屋の中を撮影。
その画像を数人が覗き込み、『この辺怪しいね~♪』などと楽しげに『物色』する始末。
ソチラ方面があまり得意でない私は内心、『や…やめちくり~!!』とは思っていたものの、表面上は冷静&無関心を決め込む…。
するとその時…密閉され、韓国式床暖房・オンドルに暖められていたはずの室内を、冷たぁぁ~い風がそ~よそよと…。
『あ!! …いらっしゃったね…。』
『よし…この話題はお開きお開き!!』
やはりソチラ方面に明るい人は、加減を承知しているのか、その話題はソコで打ち切りとなり、私はそのタイミングで部屋を後にして、シャワーを浴びに自室へ戻った。
数十分後。
寝る支度を整えた私は、ペットボトルに飲料水を補給する為、サーバーのあるエレベーターホールへ行こうと部屋を出ると、先程オカルトチックな話題で盛り上がった部屋の前に人影が…。
見れば、半べそ状態で部屋をノックしている我々の仲間の1人(女性)で、部屋の住人にふざけて締め出された模様。
彼女も『ソチラ方面』が不得手らしく、廊下に独り出された事で、先程の恐怖が蘇ってきたとの事。
『水を入れに向こうへ行ってくるから
「オッサン」がいないかどうか
見てきてあげるわ!!』
私は彼女を廊下に独り残し、ホールへ向かい、無事に水を補給。
見ると、彼女はコチラの様子を伺っている。
そこで私は、ただ戻ってもつまらないかと思い、ナニかを発見したような素振りを見せた後、表情を変えて踵を返し、猛ダッシュで部屋に戻りながら…
『オォッッサンは~…
オォッッサンは~……
イ~マ~セ~ンデ~シ~タァァァ~♪♪』。
すると彼女は…………
『んぎゃぁぁぁあああ~~~!!!!』。
腰を抜かし上体が崩れ去りながらも半狂乱でドアを叩きまくり、ノブをガチャガチャしながら…
『開けてぇぇぇ~!!
開けテェェェ~~!!
アァ~ケェ~テェェェ~~~!!!!』。
想像してみて頂きたい…。
異国の地…。
深夜の鄙びた老ホテル…。
薄暗い廊下でうずくまりつつ大号泣しながら、暴れ太鼓の如く髪を振り乱しドアに全力攻撃をしかける女性…。
そしてその傍らには、目の前の想定外な事態に打つ手なく、所在無げにペットボトルを握り締めながら、ただただ呆然と立ち尽くす中年男性…。
ある意味、『ホラー』である…。
あの…コレって『悪さ』に該当するのであろうか…??
YES!!
ア…ア…ア…アウトゥゥゥ~~~×3!!!!!!(笑)
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