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ビジョン de 人生/連載エッセイ vol.22

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.24(2004年10月)」掲載(原文ママ)。

人生に必要なのは「ビジョン」である、最近つくづくそう思う。
何かを成し遂げたいと思ったら、ひたすら「成し遂げた自分」を想像する。
そうすると何時の間にか「そうなっている」事が多い。

教員を辞め、社会的にまだ不安定だったこの職業に就いてから、私は何度この方法で物事を乗り越えてきたことか。
まさに「ビバ!ビジョン!!」である。
(ただし、物陰で一人自分を鼓舞する様は、傍から見るとヤバ気らしいので、やりすぎに注意だ。)

先日もある事柄を「成し遂げた」、と言ってもオカタイ話ではない。
先号に引き続き、お祭関係の企画だ。

熱心な読者は覚えているかもしれない。
丁度一年前、このコーナーで地元の祭の活気について取り上げたことがあった。
当時はまだ正式なオープン前の院で地元の秋祭に遭遇し、急遽駐車場でスタッフと宴会をした時、私の頭にあるビジョンが湧き上がった。

「来年は患者さんを交えて大宴会をしよう!!」

時は過ぎ、今年もいよいよその季節となった。
あるスタッフの家でよくバーベキューをするとの事から、題目は「炭火焼肉パーティー」に決定、着々と準備を進めた。

しかし考えてみれば、地元の一大イベント、家族との約束もあるだろう。
特等席とは言うけれど、人々の往来の真ん前、気恥ずかしさが先行するかもしれない。
参加者が集まるか、正直心配もあった。

そんな気持ちをかき消す為に、集合時間の1時間前から「練習」して待っていると、次々に見慣れた顔が到着、あれよあれよという間に宴の輪は広がっていった。

ひとたび始まってしまえば、人々の視線もなんのその、必死に肉や天然モノの川魚を焼き上げていくスタッフとそのご家族を横目に(本当にありがとうございました!!今回の立役者はあなた方でございます!! この場を借りて心よりお礼申し上げます!!)、すっかり盛り上がってしまった。

見れば初対面の患者さん同士がすっかり打ち解けて、自らの体験談を披露しあっている。
患者である奥様に連れられて初めて来た旦那様が、顔を赤らめながら「先輩患者」とビールを酌み交わしている。
締めに至っては、参加者の方から「来年の参加者倍増計画」がぶち上げられるなど、去年私が描いたビジョンを遥かに超えて、大盛況のうちに夜は更けた。

翌日、いつものように開院準備をしていると、隣に住む大家さんが来て一言、「通りがかりの人に『今日も出張焼肉屋は開店するの?』って聞かれたんだけど…」。

今のところ私の胸中に、「焼肉屋出店」のビジョンはないのは言うまでもない…。


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