粘り腰サンダ~ス!!/連載エッセイ vol.60
※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.62(2011年・第1号)」掲載(原文ママ)。
親愛なる読者の皆様、あけましておめでとうございます!!
毎年のコトながら、通信発行のスケジュール上、新年のご挨拶が遅れてしまう失礼を、ご容赦願いたい。
さて私は今、この原稿を…太平洋の数千フィート上空、デルタエアラインのジェット機内にて、周りが寝静まる中、PCのキーボードを独り叩き、書き連ねています…。
…と、こんなセリフを1度言ってみたかったが故に、眠い目を擦り擦り、無理やり文章を捻り出すワタクシ…(笑)。
察しの良い方は、もうお気づきであろうが、毎年初頭の恒例『アメリカ研修ネタ』の登場である。
考えてみれば、世界最大のカイロプラクティック・イベントである『パーカーセミナーラスベガス』へ参加する為に、2005年から毎年この時期に渡米する事、はや7年目。
(『LACC
~ロサンゼルス・カイロプラクティック・カレッジ』での
集中講義時代を合わせると
この仕事をするようになってから
10回目となる記念すべき渡米!!)
これがないと、新しい年を迎えた気がしないとまで思う、重要な『年中行事』になった感のあるアメリカ研修であるが、例によって、『マジメな報告』は通信表面にお任せして、コチラでは『こぼれ話』を1つ2つ…。
実は今回ワタクシ、渡米冒頭から…『やらかして』しまったのである!!
数年振りに、『入国審査』で引っ掛かってしまったのだ!!
マニア…もとい、『熱心』な長年に渡る通信読者の方はご存じの通り、ワタクシは大学時代のグアム渡航の際の出国記録に不備(もちろんアメリカ側のミス!!)があるらしく、時々、入国審査で止められてしまうのだが(詳細は2003年2月発行の通信でのエッセイ『ブルーラインズクラブへようこそ』などを参照!!)、今回はこれまでで最大のピンチ…。
なんと、審査が長引き、到着したLAから、ベガスまでの乗り継ぎ便に間に合わなかったのだ!!
正直、ここ数年は審査をほぼ『素通り』していたので、無警戒ではあった。
しかし、今回の審査官は、無情にも『別室行き』を宣告。
入室するなり、そこには結構な数の『詳細な審査対象者』の、肩を落とした虚ろな瞳が…。
その瞬間、私は悟ったのである。
『あ!!
…こりゃ乗り継ぎ間に合わね~な!!
…だったら
…エッセイのネタにしてやろう!!』…と。
実際、1時間ほど待たされて、審査は『約1分』で終了したり
(だったら
わざわざ別室連れてくるなやぁぁぁ~!!)
審査官のオッチャンが気を遣って日本語で話しかけてくるも、微妙にナニ言ってるのかわからなく、向こうが片言ニホンゴ、こちらが片言エイゴで遣り取りをするという、傍から見たらシュールな光景が展開されたり
(普通に英語で喋れやぁぁぁ~!!)
運良く振り替えられた飛行機も大幅に遅れ、グダグダ感満載でベガス入りするなど
(結局1日潰れたやないかぁぁぁ~!!)
『ネタ』には事欠かなく、その時は、その事をメインにエッセイを執筆しようと考えてさえいた…。
しかし…それ以上の『面白エピソード』が…セミナー終了後に滞在した、LAはサンタモニカで待ち受けていたのである!!
(キタァ~キタァ~キタァ~キタァ~
サンタモニカでぇぇぇ~♪←古い!?)
事件は、ここ数年かけて進められていた改装工事が昨年やっと終わり再オープンした、地域の中心商業施設、『サンタモニカ・プレイス』をブラブラしていた時に起きた。
実はワタクシ、『見てくれ』がパッとしないもんで、プライベートで着る服には少しだけ気を遣うのであるが、その日は昨年、大学院集中講義のついでに韓国で購入したブルーのライダースジャケットに(詳細は通信前号エッセイ参照)、同じくブルーのハンチング、ベルト、靴で統一感を持たせ、とどめに今回ベガスにて購入したヨーロピアンブランドのパープルのデニムを重ねるという、地元・岩手では間違いなく2度見されるような、『アバンギャルド』な格好で歩いていた。
(カリフォルニアの
青い空と海がそうさせたのさ…笑)
すると突然、目の前に『イケメン白人』が立ちはだかり、ナニやら熱心に喋りかけてくる!!
何故かワタクシ、『ソチラ方面の男性(?)』には人気があるらしいので、思わずオシリを両手で隠しつつ(失礼!!)、警戒しながら話を聞くと、その方はファッション関連のウェブ編集者で、曰く、ワタクシの着こなしが気にいったので、写真を撮って掲載させてほしいとのコト。
私は満更でもない気分になりながらも、観光客相手に勝手に撮った写真を吹っかけて売りつけてくる輩もいない訳ではなかろう…と、警戒心も持ち合わせながら、言われるままカメラへ向けてポーズをとった。(結局ポーズ決めるんかぃ!!笑)
しかし人間は不思議なモノで、バシャバシャ写真を撮られ続けると、だんだん気分が高揚してくるというか…正直、心地よくなってくる。
『あぁ…カメラマンの口車に乗せられて
大胆ショットを許してしまう
グラビア女性の気持ちがわかるなぁ…』
…などと、コンビを組んでいるらしいキュートな女性にカメラを向け続けられながら、恍惚とするワタクシ…。
そして、このエピソードのオチは、この後、フラリと訪れる!!
時間にして1~2分、微妙にアングルを変えながら続行していた写真撮影も、そろそろ終わりに差し掛かろうかという頃、私は背後にナニやらただならぬ気配を感じ、反射的に振り返った!!
するとそこには、某フライドチキンのチェーン店の前に鎮座されている『おじさま』然とした白髪男性(以下、『カーネル』)が…。
最初は、その取材の関係者かと思い、特段気にしないでいると、女性カメラマンの表情が目に見えて徐々に曇り、男性編集者に至っては、あからさまに追い払おうとし始めた。
ナニが起きているのか、状況が掴めないまま、編集者とカーネルの『応酬』を必死で聞き取ろうと耳をそばだてると…、どうやらカーネルは、『自分も取材をしろ!!』と猛烈にアピールしている様子。
改めてその着こなしを見れば、ホワイトジャケットに、スカイブルーのシャツとブルーのネクタイ、そしてブラックスラックスという出で立ち。
確かに、『Tシャツにデニム』が定番のアメリカ基準からすれば、『オシャレさん』の部類には入るのだろうが…??
結局、取材が終わるまで、カーネルはその場を離れず、私もその後が気にはなりながらも先を急ぐ身だったので(決めポーズをシッカリ取りはしたが…笑)、編集者の名刺を受取り、その場を離れるコトに。
その後、同行していた仲間に撮影して貰っていた『取材を受けるワタクシ』の写真を見ながら一同大笑いし(そして、乱入してきたカーネルの表情に爆笑し)、ブランドショップを一通り流して、帰り際、私が声を掛けられた場所を通ると…。
そこには、苦虫を噛み潰した表情でカメラを構える女性と、うんざりした様子のベンチで肩を落とす男性と、そして…満面の笑顔でポーズを決めるカーネルの姿が…!!
人間、ナニかを真剣に成し遂げようとする際、大切にすべきは、『相手がどうこう』なのではない…『自分がどうしたいか』なのだ…。
そんな『人生訓』を得た、今回のアメリカ研修であった…。
(パーカーセミナー……関係ねぇぇぇ~!!爆)
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